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檸檬のころ

「檸檬」から、あなたは何を浮かべますか?

もちろんあの黄色いレモンを思い浮かべる方が多いと思います。この記事を読んでくださる方なら本好きで、梶井基次郎の短編小説を思い浮かべるかもしれません。

今日紹介するのは、豊島ミホさんの「檸檬のころ」

梶井基次郎の「檸檬」は得体の知れぬ憂鬱な心情や、ふと抱いたいたずらな感情を、色彩豊かな事物や心象と共に詩的に描いた作品ですが(「檸檬」の作品案内より)本作は山と田んぼに囲まれた、田舎の県立高校の四季を舞台に、高校時代という「あの頃」のかっこ悪くて、情けなくて、でもかけがえのない瞬間を描きだした青春短編連作小説です。

物語に登場する高校生たちは、初恋、友情、失恋、部活、学祭、上京・・・時代は変われど、学生生活の中で悩み、苦しみ、そして成長していく様子はまさに檸檬のように酸っぱい青春そのものです。

私自身もこの物語の舞台のような田舎に住み、高校生活を送りました(現在も場所は少し離れましたが、同じ田舎町に住んでいます)ですが私の場合は、どうだったのでしょうか?

著者の豊島ミホさんが

年を経るごとに、嫌なことは少しづつ薄まっていって、楽しいことだけが濃度を増していく気がするから不思議です。そういう「地味な人なりの青春」をいつか書きたいとおもっていました。(中略)地味な高校生活を送っている子たちだって相当数いるはずです。その地味な生活に輝く一点の星にスポットを当てて書こうと決めて、この連作短編集に取りかかりました。

あとがきより

こう書かれていて、私も物語の登場人物たちほどではないけど、世間や政治の不都合や、不平等を討論したがる、地味な学生生活を送った学生だったと作品共々振り返って苦笑しました。

表紙の檸檬色が素敵
拙い記事にスキをありがとうございます。

今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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