日本社会の闇と本物の悪
今日は昨夜一気に読んだ、お薦めの月村了衛氏の社会派小説を紹介します。
読んだ本の紹介
2023年10月18日 双葉社 から 464ページの単行本で発売
あらすじ
この本を選んだ理由
読書感想のサイトで絶賛されていて、私自身がよく知らない詐欺、半グレといった世界の小説であることに興味を持ちました。
感想
親に捨てられ、児童福祉施設の出身で中卒の翔太と、裕福な家庭に生まれ、有名私立大出身の海斗。社会的に陰と陽の正反対な環境で育った2人。
翔太の側を読み進めていくと生まれから受刑まで不幸続きで、運から見放された人生のように思えます。一方海斗は裁判にかけられることなく、大企業に入社後も出世街道を行き、裕福な家庭の女性と結婚、とにかく陽の当たる世界を生きています。
受刑後翔太は就職にも苦労しつつ、有紀という読書好きの女性と出会うことで、自分の陰の人生を乗り越え始めますが、一方、出世コースに乗った海斗は、半グレ店のオーナーと再会彼らと手を組み、同僚のパワハラ等が明るみに出て、家庭もなくし、どんどん下降していくのです。
登場人物は全てフィクションなのだと分かっていながら、今の社会にきっといそうな人たちだと感じ、彼らの行動一つ一つに震えを覚えながら、一気に読み終えました。読み応えのある作品でした。
先日本屋大賞候補が発表されましたが、この作品が入っていないことが残念なくらい、押したい作品です。
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