江國香織 著「川のある街」
私の思い込みもあると思うのですが、なぜかヨーロッパの香りのする作家というイメージのある江國香織さんの作品を読みました。
読み終えた作品
雑誌「小説トリッパー」季刊号に掲載され、2024年2月7日に朝日新聞出版より、232ページの単行本として発売されています。
あらすじ
この作品を選んだ理由
が気になって手に取りました。
感想
本作に流れる川は、3篇それぞれに出てくる主人公に寄せた、時の流れと共にある川です。
主人公たちは、第1話では両親の離婚で母の実家に暮らす小学生、第2話では烏たちの目とその土地に縁のある人々、そして第3話では認知症が進むレズの女性です。
どの短編も淡々とした語り口で、日常を丁寧に描き、彼らを見つめる著者の目は温かいです。
物語の設定も、非日常のようでもあり、今はこれこそが日常なのかもなど、シニアの私には感じる場面が多々あります。
特に認知症が進行する女性の話は身近であり、心に沁みました。
お陰で、江國香織さんの作品を久しぶりにじっくりと味わい、楽しむことができました。
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