辛さと安堵と〜小川糸 著「小鳥とリムジン」
東野圭吾さんの作品を読み終え、引き続き小川糸さんの新刊を読みました。
『食堂かたつむり』では「食べることは、生きること」『ライオンのおやつ』では「死にむかうことは、生きること」そして、今回小川糸さんが描き出す3つめの「生」の物語は、「愛することは、生きること」です。
前半の小鳥の生い立ちからコジマさんと出会い、コジマさんとの永遠の別れまでは、簡単には言い尽くせない辛く、これほどの苦悩を幼い頃から背負う人生をよく耐えてきたと、胸を締め付けられながらページをめくりました。
後半に入ってニオイに釣られて入った弁当屋さんで出会った、弁当屋の主人理夢人(リムジン)がこれまで小鳥が味わったことのない人間らしい愛情を与えてくれたことは、生きていけばいつか幸せを掴むことができるかもしれないと希望を持たせてくれたことに感謝しつつ読み終えました。
最近では若い人の安易なセックスや望まぬ妊娠が問題になることが多くなっています。そういう若い人たちに送りたい言葉ですね。
更に、辛い出会いと思っていた美船との出会いも、彼女が産んだ息子と巡り合って小鳥はこう語ります。
これから生まれてくる人が愛に包まれて生きてくれること、そしてお互いを尊重する愛を知ってくれることを願ってやみません。
今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。連日本の感想になりました。週末も本を読んでいきたいと思います。
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いつも読んでいただき、ありがとうございます。これからも励みますね。