小中の同級生が、バンドで売れた。 今では日本屈指のフェスに出るような売れっ子バンドのドラマー。 私が10年間、張り裂けそうな心を割いて何回も夢に見た、推しのアイドルと同じステージに立っていたりする。 高校の同級生は、日本一と言われる漫画の編集者になった。 彼は元々はサッカー選手になりたかった。 その夢は叶わなかったが、テレビなんかにも出たりして、本当の本当に、彼自身が少年漫画みたいな人だと尊敬する。 同窓生に会えば、やはりその子達の話になる。 「あの番組に出られるなんて、
私は知らない人から見たら恵まれているように見えると思う。 給料の高い仕事、まあまあ人に好かれる顔、五体満足で大きな持病もなく、巨乳でまだ若い。 両親も離婚なんかはしていなくて、兄弟も二人いる。実家は自営業で、学生時代には海外旅行にたくさん行った。 彼氏もいるし、きっとそのうち結婚する。 一般的な幸せを全部手に入れているように見える。 しかし、その裏側には「でも」が多い。 例えば、給料の高い仕事で業務内容も結構楽しくなってきた、でも部長はたまに暴言を吐くしストレスを感じる。
私はいわゆるBtoCの企業で働いていて、それは私の望んだ結果だ。 生きているうちにいろんな人と関わりたいし、顔も見えない誰かのことを考えるのが私は嫌いじゃない。 かといって直接的な接客業では暴言を浴びせられることもあるだろうし、何より立ち仕事が圧倒的に多い。 私はサービス業の本社で最近はユーザーの人々に向けて発信するメールの文章を考えていたので、座りっぱなしだし天職だと思った。 何万もの人に送られるメールだから、もちろん部長だけでなく会社の法務部なんかの承認も必要になる。
小説家には精神疾患の人の割合が高いと、何かで読んだ。 私も、文章を書いて食っていけて、世間的にも評価してもらえるのであれば、病的でもいいからもっとおかしくなってもいいかなと思う。 日本社会の労働環境に属さなくても大手を振って生きていけるなんて素晴らしいことはない。 例え、自分にしかわからない苦しみにもがく日々で死にたくなったとしても。 きっと才能もない私だが、今までだってそんな時間を数え切れないほどに過ごしてきた。 中途半端に苦しむくらいなら、いっそ椿のように才能をブワッと開
久々に風邪を引いた。 風邪を引いて甲斐甲斐しく看病してもらえるのは子供時代だけなのだと実感した。 差し入れをしてくれる恋人も、おでこにキスをしてハグするだけで去ってしまう。 みんな、働いているから。 各々仕事があって、生活がかかっている。 「愛しているから」「かわいそうだから」 という理由で長居して濃厚な接触を重ねて 共倒れしてくれるわけにはいかないらしい。 子供時代は、風邪を引いた時だけ両親の寝室で寝ていた。 子供部屋には姉や妹がいて、風邪をひくと嘔吐しがちだった私は隔
電車が好きだ。 私の脚では到底歩けない場所まで連れて行ってくれるし、日本の電車は飲食もできるのに綺麗だ。 (終電間際のゲロ爆弾を乗せたものは除く。) けれど平日の朝だけは、そんな箱も処刑場までの滑車さながらに変貌する。 身動きが取れないほどの満員電車に乗っている時なんかは、アウシュビッツ収容所へ向かうユダヤ人に想いを馳せる。 転職して2ヶ月、家から這い出す時間は日に日に遅くなった。 今日時点で初週平均より22分程度遅い。 服や化粧もどんどん適当になり、言い訳をするように朝ご
恋人に必要以上に心を委ねて、甘えて、頼り切ってしまうのは、馬鹿のすることだろうか。 それには歴とした理由があるから仕方がない。 私にとって恋人が唯一、裸を易々と見せられる相手であるし、多数の人にとってもそんな気がする。 もちろん、友人であっても他人の性事情には踏み込まないタチなので、私の想像でしかないのだが。 同性の家族や友人とは温泉に行った時などに裸を見せることはあっても、サッとと隠したりお湯の揺らぎで誤魔化したりする。 「乳首の横に可愛いホクロがあるんだ」なんてしげし
最近のこと。 2023/5/27、私が産まれてからちょうど27年が経った。 続いた試しがなく、続ける気が強くあるわけでもないが、たまに日記を書いてみようと思いつく。 毎日絶え間なく、休憩もなく、私は生き続けている。 そんな当たり前の証拠を欲してしまう、死にたくなるほど辛い時間が私の人生に再び襲来すると予感している。 未成年だった時の自分には到底予想できないくらいに、私は幸せになった。 =私の人生の基盤には、不幸が踏み固められている。 そんな人間の生活が、これからずうっと夕凪の
2022/11/4 名古屋のうなぎが美味しすぎて、 目元をじんわりさせながら食べた。 東京や地元(東北)のうなぎとは違って ぶよぶよしていないと思った。 調べたら、名古屋のうなぎは関西と近い焼き方をしているらしい。 東京は蒸してから焼くが、名古屋や関西ではそのまま焼く。 サブスクの三文ドラマを見て関西風うなぎの焼き方を知っていた私は、やっぱりね、と一人ほくそ笑んだ。 パリパリしているからか、小骨も気にならない。 神経質な私は、特に幼少期なんかは うなぎの小骨が気になって
今日、アプリで出会った男性とディナーをする。 今待ち合わせ中でカフェにいる。 まあ、いい人だといいなと思う。 失恋はしたが、一人を追い続けるのをやめたので 別に何も私の行動を制限するものはない。 自分や大事な同性の友人、仕事に対してのみ 誠実であれば良いのだ。 かといって誰とも付き合う気はない。 知らない土地だし、母語で会話できないし 何より危ない目に遭いたくはない。 それに、あれほど好きだった人のことを 簡単に忘れられるわけがない。 忘れたらそれは記憶障害だと思う。
昨晩「ホタルノヒカリ」をみながら 自分の気持ちを伝えないと良くないなあ なんて思っていた。 私は毎年父にバレンタインチョコをあげるのだが 今私はシンガポールにいるので 高島屋から通販で実家に送ろうと思った。 可愛いチョコレートを選んでいると 「ああこれあの人が好きそうだな」なんて どうしても思い出してしまう。 去年も彼のことを好きで、 手作りのチョコをあげた。 彼のチョコをどうしてもあげたくてあげたくて 仕方なくなってしまった。 ーーーーーーーーーーーーーーーー そ
失恋して2日目(正確には1日半)にもかかわらず レンチンしたじゃがいもを食べ、電話口で母に 「じゃがいもうんめえええ🥔」 なんて言っていた自分がいた。 草超えてじゃが、という感じだ。 (上手くない。じゃがいもは美味い。) ーーーーーーーーーーーーーーーーーー 私は失恋すると躁鬱のように “全然大丈夫!タイム”と “やっぱりまだ治療中だった...タイム“を繰り返す。 後悔しないか何日も何ヶ月も考えて 限界を迎えて自分のタイミングで告げた別れか、 向こうから予想だにしない
人魚姫の最期をご存じだろうか。 王子は他の人と結婚することになり 人魚姫は海の泡となり消える。 ディズニー的ハッピーエンドとはほと遠い。 その前に、人魚の姉が短剣を持ってきて 「これで王子を刺せば、あなたは泡にならないわ」 なんて言う。 しかし人魚姫にはどうしても刺せなかった。 ーーーーーーーーーーーーーーーー 私はここで相手を刺せないかどうかで 相手を本当に愛していたかがわかる気がした。 私は、好きだった人(仮称・とらぴ)のことは やっぱりどう頑張っても刺せそうにな
1年と2ヶ月。 ”たったそれだけ“だったのかもしれないけど 人生で初めて、心が燃えるような恋をした。 彼は結局最後まで私と付き合わなかった。 だから彼がアプリで出会ったんだろうなという 女の子がインスタのフォロー欄に増える度に 心が押しつぶされそうだった。 離れているから仕方ない、 いつか彼が選ぶ相手は私しかいない、 そう思っていたけれど目が覚めた。 それで選ばれたところで、“とりあえずの彼女”。 私が安心できる日は来ない。 それでいいのか。 よくない。 もっと私のこと
私が心から願っていることは一つしかないのだと 今になってようやくわかった。 一人では絶対に叶えられないのに、 小さい時からずっとずっと待ち望んでること。 自分以外の、大好きな誰かに 心底愛してもらいたいという願いだ。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーー 数週間ぶりに大泣きした。 眩しい朝日の中起きても、 ああ目覚めてしまった、 もっと寝ていたいのにと思う。 好きな人から、天気がいいと楽しいね なんてメッセージ。 私は、あなたがいればどこでも楽しかったし 嵐でも台
大好きで確実なものと、そうでないもの。 その二つを明確に区別するようにしている。 (その癖を身につけた経緯は、 長くなるので割愛する。) 表面上の付き合いや流行のファッションに、 私は二十代前半にして興味を抱かなくなった。 「生涯好きだろう」と 現時点ですら思えないものに、 時間とエネルギーを割くのが惜しいのだ。 そんな私が今、芽が出ないかもしれない鉢に、 健気に水をやっている。 人生で一番の、熱烈な片想いをしているのだ。 鉢には、種すら埋まっていないかもしれない。