出勤という受難を今日も乗り越える
電車が好きだ。
私の脚では到底歩けない場所まで連れて行ってくれるし、日本の電車は飲食もできるのに綺麗だ。
(終電間際のゲロ爆弾を乗せたものは除く。)
けれど平日の朝だけは、そんな箱も処刑場までの滑車さながらに変貌する。
身動きが取れないほどの満員電車に乗っている時なんかは、アウシュビッツ収容所へ向かうユダヤ人に想いを馳せる。
転職して2ヶ月、家から這い出す時間は日に日に遅くなった。
今日時点で初週平均より22分程度遅い。
服や化粧もどんどん適当になり、言い訳をするように朝ごはんをもりもり食べるようになった。
帰りも帰りで、またぎゅうぎゅうになって帰るハメになる。
びくびくしながら働いてやっと解放されても、臭いおじさん達に押しつぶされるようじゃ、救いの場所なんてこの世に無いと錯覚する。
今日も処刑場に私はついてしまう。
着いたらまずうんこをしよう。