『映画ブルーピリオド』
漫画で読んでいて、実写版のクオリティが高いと評判だったブルーピリオド。
ついに、バンコクの映画館で観てきました!!!
『ブルーピリオド』といえば、日本の大人気青春コミックです。この作品が今年、実写映画化されました。
タイでの公開日が12月5日だったので、その日の一番早いチケットを予約し、観に行ってきました🎞️
いやぁぁぁ、素晴らしかったです。
そんな稚拙な言葉で終わらせたくないので、
たっぷりたっぷり書いていきたいと思います。
概要
『ブルーピリオド』は、山口つばさによる日本の漫画作品です。2017年から講談社の『アフタヌーン』で連載が開始され、現在も続いています。芸術や自己表現をテーマにした青春ドラマで、多くの読者から高い評価を受けています。
あらすじ
主人公の矢口八虎(やぐちやとら)は、高校2年生で要領が良く、学校でも友人関係や成績に問題がないものの、どこか空虚さを感じています。ある日、美術室で見た1枚の絵に心を打たれたことで、彼の人生観が変わり、東京藝術大学を目指すことを決意します。絵を描くという未知の世界で努力し、試行錯誤しながら成長していく姿が描かれています。
映画の感想
矢口八虎なのか眞栄田郷敦なのか
主人公の眞栄田郷敦さんの役作りが素晴らしすぎました。矢口八虎のイメージを壊さず、かつ、自分なりの八虎像を意識されていたように思いました。
八虎の中にある優しさと強さが、眞栄田郷敦さんを通して伝わってきたように思います。
そして、眞栄田郷敦さんが絵を描くシーンの目付きが真剣で、美しかったです。
この作品は絵を描くシーンの吹き替えが一切ないそうです。そのため俳優さんたちはクランクインの前から絵の練習に取り組んでいたそうです。
インタビューでこのように語られるほど、絵の才能を爆発させた眞栄田郷敦さんの今後の活躍がとても楽しみです!
ユカちゃんなのか高橋文哉なのか
高橋文哉さんが演じたユカちゃん(鮎川龍二)はとても難しい役だったと思いました。
ストーリー序盤の「守るものが多かった」八虎とは対照的な存在として描かれていて、いつでも自由に好きなことを選択して生きていく強さを感じました。
しかし中盤からは、性的少数者としての生きづらさや、自分の在り方について深く悩むシーンが描かれていました。
特に家族との関係や社会的な偏見がテーマとなり、彼の内面がボロボロに崩れていく様子が感じられました。
とても難しいシーンが多かったように感じたのですが、ユカちゃんが抱える壊れそうで複雑な心情を、高橋文哉さんが見事に演じていました。
そして彼もまた、役作りが素晴らしすぎました。
ユカちゃんを演じるにあたり、8キロの減量と脱毛に挑んだそうです。
すごすぎる…
並の人間にできることではありません。
その努力もあり、ユカちゃんのビジュアルが素敵すぎました。
美しすぎて、興奮しました。
映画ならではの技術的なこだわり
原作はもちろん好きなのですが、映画を通して絵がカラーで見られたことは、この上ない幸せでした。
特に、映画ならではの技術的なこだわりが見られたシーンもいくつかありました。
森先輩の作品を見に武蔵野美術大学へ行った帰りのバスで、八虎が「縁」について考えていたシーンが素晴らしかったのです。
バス全体と八虎の体が繋がって、金属のように硬くなっていくシーンは必見です。
その後、八虎が自分なりの「縁」の答えを見つけてキャンバスに表現していく姿にも鳥肌が立ちました。
演技と技術が一体化し、素晴らしい表現力を生み出していました。
キルフェボンのシーンで号泣
八虎が恋ヶ窪晋(恋ちゃん)に呼び出されたシーン、原作ではラーメン屋でした。
しかし私にとっては、よく通っていたキルフェボンこそ、このシーンは刺さりました。
懐かしいな、キルフェボン…♡
八虎はその時、自分の夢を親に否定されたことで、自信を失っていました。
そんな八虎に恋ちゃんは、パティシエになりたいことを告白します。
パティシエになりたいという自分の正直な気持ちに気づくことができたのは、八虎のおかげだということを伝えます。
そして、八虎に、描き続けることをやめないでほしいと伝えます。
😭😭😭😭😭😭😭😭😭
もうこの時点で、私の涙腺は崩壊しました。
恋ちゃんー!!!!!!!!!!!
そうなんですよね。自信がなくなった時、もうだめかも知れないと思った時、こういう言葉を言われるのが一番刺さるんです。
自分の夢はもう、自分だけのものではないと知り、八虎がまた描くことを続けるきっかけとなったシーンでした。
実写版も最高に最高によかった!!
お母さんとの関係の変化に号泣
改めて声を大にして言いたいこと。
八虎って、家族思いで優しいですよね…🥹
八虎は今まで、家族に迷惑をかけないように、学校の成績も上位を取り続け、国公立大学を目指し、器用に生きてきました。
そんな前フリを聞いただけでも、
「こんないい奴、存在するのか?」
なんて思ってしまいます。
そんな八虎がやりたいことを見つけ、東京藝術大学を受験することを母に伝えるシーンが感動でした。
八虎は一度は親に自分の夢を否定されるも、やっぱりその夢を諦めきれず母を説得することにしました。
リビングのテーブルで寝ている母親の絵をよく観察しながら描いて、初めて気づいたことがありました。
母の手にささくれがあること
母の腕は思ったよりも頑丈だったこと
何年も同じ服を着ていること
もし、絵を描いてなかったらこのような母親のことに気づけなかったと母に告白します。
そして、「藝大に行きたい」と素直な気持ちを母親に伝えました。
ここのシーンはなぜか、
私は母親の目線で見てしまったのですが、
いやまて…やっくん。それは反則だぞ。
そんなことを言われたら、
認めてしまうではないか…
なんて思いながら号泣してました。
母親のことを観察してくれる人は限られていて、父親でさえ気づいてくれない部分を指摘してくれるなんて、ずるいよ。
そんな言葉をもらえただけでも親孝行だわ。
なんて思ってしまうのは、息子がやっくんだからなのでしょうか。
とにかく、このシーンは必見です。
涙なしには見られません。
最後に
物語は大学に合格したシーンで幕を閉じるのですが、むしろ八虎の物語はここから始まったと言っていいでしょう。
この後のさらなる展開は、引き続き漫画で追っていきたいと思います。
読んでくださりありがとうございました𓅓