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『成瀬は天下を取りにいく』

2024年の本屋大賞をとった『成瀬は天下を取りにいく』という作品を紹介したいと思います。

作者は大津市在住の宮島未奈さんであり、本作も大津が舞台となっております。

主人公は、何事もものおじしない、我が道を行く「成瀬あかり」です。西武大津店が閉店することを機に、成瀬はある決意をします。おそれは、閉店までの期間、毎日西武大津店に通うという計画でした。
成瀬と幼なじみの「島崎みゆき」は、いつも成瀬に振り回されながらも、それを楽しむことのできる心の優しい女の子です。
二人はこの西武大津店の閉店を機に、中学卒業までに様々な挑戦をすることとなります。

成瀬は学業成績も優秀で、我が道を行く、芯のある強い女性である一方、周りからは「変わり者」として扱われている存在でした。
そんな状況を知りつつも、幼なじみの島崎はいつも成瀬の提案を受け入れ、成瀬を支え、時にはともに行動します。
その関係は中学を卒業して、別々の高校に通うようになってからも変わりませんでした。

私はこの作品を読む前は、成瀬自身の物語としての魅力があるのかと思っていたのですが、島崎をはじめとした成瀬を取り巻く登場人物の魅力がつまった作品だったと感じました。
もちろん成瀬の行動力には素晴らしいものがありますが、成瀬自身も挑戦をする際に「島崎には最後まで見届けてほしい。」と伝えたように、応援してくれる誰かの存在が不可欠であることを示唆しています。
そして島崎自身も、「成瀬の行く先をどこまでも見ていたい。」という気持ちを抱いています。

そういった面で、私も島崎のような人になりたいと思いました。
成瀬の芯の強さはもちろんですが、本当に芯の強い人は実は島崎であると感じたからです。
周りからの評価などを気にせず、自分の信念と成瀬への信頼をもとに自分で行動を決める島崎がとてもかっこよく見えたのです。

若さと爽やかさに加え、登場人物の性格も明るく、とても前向きになれる作品です。


読んでくださり、ありがとうございました🦉

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