どんな人にアプローチすれば成功例が高い?闇雲にアタックは後で気まずいぞ。。"ターゲティングとセグメンテーション”
さあ、今の状況は大体わかった。今度はどこであなたが頭角を現す事ができるかです。商売ならば、誰にセールスすれば売って売って売りまくれるのか?結婚相手を見つけたいなら誰を狙えばモテまくるのか?
これが、ターゲティングとセグメンテーションです。
「あなたを評価してくれる場所を探す」
いつものように、私がカナダで運営する現地発の観光ガイド会社を例に話を進めます。
私の会社はカナディアンロッキー観光の中心、バンフという小さな町にあります。日本ではなくて現地にあります。昔は「地球の歩き方」に広告を載せたり、現地のユースホステルなどにパンフレットを置いて集客していました。今は主にウェブサイトで現地発のオプショナルツアーを販売しています。
さて、私の会社を利用するのは誰でしょう?マネジメントの神様、ピーター・ドラッカー様は「宣伝文句が必要ないぐらい、適切な顧客に適切なサービスを提供するのがマーケティングの究極」とおっしゃってます。
つまり、私の提供するサービスを必要としている人に私のサービスを知らせるだけで、私のツアーは売れるはずです。
勧めなくても誰に我々のツアーが売れるのか?それを判断するのが「ターゲティング」です。
セグメンテーション
ターゲティングは通常「分ける事」から始めます。
マーケティングに関する「ターゲティング」という言葉を聞きかじった事のある人は「セグメンテーション」という言葉も知っているかもしれません。セグメントとは区別という意味ですが、その意味の通り顧客となりえる人々を何らかのジャンルで区別します。
デモグラフィックとサイコグラフィック
セグメンテーションで顧客を分けろと言われると、まず思いつくのが下記のような分け方です。
・年齢
・性別
・職業
・年収
どうでしょう?マーケティングをご存の方はこのセグメンテテーションになにが欠けているかすぐにお分かりになることでしょう。
上に挙げた分け方をデモグラフィック分析と言います。デモグラフックとは人口統計学的な分け方です。非常に重要です。年齢別に育って来た環境や年収、住んでる場所などで考え方は全く異なる可能性が高いです。
しかし、20代女性は皆同じような考えを持っているでしょうか?20代といえば結婚しているか子供がいるかで大きく考え方や行動が違います。50代の人でも美魔女のように若いプロポーションを保ちたい人もいます。
人生が多様化した現代ではデモグラフィック分析よりもサイコグラフィック分析が重要です。「サイコグラフィック分析」とはライフスタイル、行動、信念(宗教)、価値観などでセグメントを分ける方法です。これはマーケティングの世界に入れば最初の方に学ぶ事だと思います。
私の会社は現地発のガイド会社です。とりあえず旅行会社に頼らないで自力でバンフまでたどり着けないと私のツアーには参加できません。
過去10年、弊社のツアーに参加した方の特徴を挙げてみます。
・旅慣れている
・団体旅行が嫌い
・時間になるべく縛られたくない
・自分だけの旅を組み立てたい人
・他の人と違う体験をしたい
・英語が堪能で教育レベルが高い
以上、デモグラフィックよりもサイコグラフィックで区別されたセグメントが多いことが分かります。
万人のお客様のニーズに応えるには、車で言えばトヨタ並に市場を支配する必要があります。この記事を読んでいる人にトヨタの幹部はいないはずです。(いたら嬉しい!)
私のように小さいビジネスは通常、自社の特徴を尖らせて特定のセグメントを支配するのが得策です。
自分だけが持っている誰にも真似されない強みはSWOT分析で明らかになっているはずです。その強みを最大い活かす事のできるセグメントにターゲットを絞るのが基本的なセオリーです。そして、あらゆるセグメントを試してもダメな場合はあなたのビジネス自体をターゲットに合わせて最適化する必要があります。
一度決めたターゲットに全資産を投げ売って全力投球するのだけはやめましょう。なぜならあなたの予想はかなりの確率で外れてます。分析したターゲット自体があなたの希望する独りよがりターゲットということがよくあります。
このマガジンの冒頭で述べました。「マーケティングは机上の空論」です。仮設を立てて試して、それを当たるまで泥臭く繰り返すのがマーケティングだということを忘れないでください。私はまだ、曇りなき眼で自分を見るさとりの境地に入れたとはとうてい思えません。