甘野充プロデュースの創作に特化した共同運営マガジンです。 共同運営マガジンは、みんなで作るマガジンです。 自作の小説、詩、絵、音楽、動画など、想像力と創造力あふれるアートやエンターテイメント作品をnoteで公開している人たちが集まって、作品を披露する場となります。 参加すると、自分の記事を共同運営マガジンに追加することができるようになります。 たくさんの人に自分の作品を読んでもらえるチャンスです。 参加費は無料です。 参加希望の方はトップ記事へコメントお願いします。 ルールは以下です。 ・投稿内容は、自作の小説、詩、音楽、絵、のみになります。 (エッセイは不可。他者の作品の紹介も不可) ・投稿は自分の記事だけにしてください。 ・投稿は当日投稿の記事のみにしてください。 (過去記事は投稿しないでください) ・タイトル、タイトル画像、説明文は変更しないでください。 甘野充
目と鼻の先にある 君と僕の家 ちっちゃな頃から仲良しこよし 近所の川の橋の上で 僕らは月を眺めていた 「月、めっちゃ綺麗だね」 「あ、流れ星っ!」 二人同時に喋ったら 何を言ったか分からなかった ああ、いつもみたいに 君と笑えたらどんなに良かったろう 告白のつもりで詠んだ月の景色が 俯いた君で霞みそうだよ 頬に花描く君と 僕は月を詠みたい
もうすぐ着くよ あの山に いつも助手席から見てたあの山に 大きな緑と 青い空 絵に描いたような自然の奥底で 大きな身体をどっしりと構えて やっと着いたよ この山に チクチク刺さる 葉っぱの先に 透き通る空気と 視界いっぱいにみどり
彼らは早く 大きくなりたい 彼らは早く 強くなりたい 彼らはいつも焦っているから 彼らは早く 大人になりたい おおきくて つよい おとなのおとこ これは 少年の願い 少年達の願い
この冷めきった身体を 温めるほどの熱もなく ぬるくなってしまった 浴槽に溜められた水が 秋雨の早朝を知らせて 明日たぶん風邪をひく どこかふわふわした頭 思考の片隅でゆれゆく 今朝もうわの空な僕ら
おはよう 聞こえた声に添えられた笑み おはよう 変にドキドキして、そっけない態度 どうしたの? 尋ねる君の顔がすごく近くて うん 意味のない返事に、また冷たい態度 あの頃の僕に会えるなら あの頃の君に会えるなら もどかしい空間に一言伝えたい 大好きだった君にさようならを
わかってほしい 私のこと 私はあなたのことは知りたくないんだけど 察してほしい 私の気持ち なぜあなたは気付けないのか 私は知らないけど だって 友達でしょう わたしはあなたをこれ以上嫌いになりたくないの 私があなたを嫌いになるのは 私のせいじゃない いつも あなたが壊していくのよ 私の大切な人達は 私のとなりで愚痴をこぼす 私のそばで泣いている 全部あなたのせいなのに なぜそっぽを向いてるの なぜ あなたは泣いているのだろうか
目をつむって 風の匂いをみる 波の音にふれる 街が夜に呑まれ ただ深い碧の砂を聞く 自然は 静かにかつ丁寧に さらさら 水の波紋をつなげた 大きく息を吸って はいて 私という生命に手のひらをあて 今夜、部屋の灯りを消す 山の紅葉の裏の 薄むらさきに染まった海を 映した
鼻の先に蝶が止まってる きっと 貴方が居眠りしてたから きっと 君という光を求めて来た 花の先に蝶が止まってる たぶん 愛される私に憧れたのよ たぶん 僕らの愛を祝福しに来た 私だけの貴方 このヴェールをたくし上げ 貴方に一番愛される私を どうか貴方のもとに連れてって頂戴 僕だけの蝶よ 華やかなドレスを身に纏い 僕がまばたきしてる間に どうか この口先へ止まっておくれ 貴方の 君の 長い睫毛が見える 二人まばたきしてる間に 蝶々は空へと 羽を広げた
彼の語る夢は まるで歴史物語 伝説に名を残す人物になること 人々は彼に言うのだ 「馬鹿みたいな夢だな」 自分なら恥ずかしくて言えないような そんな彼のロマンに こころ打たれる時が訪れた 中学生だった私の ハリのある手に 数え切れない無数のシワが目立ち始める ひとあし先の時代 静かな図書館で 少女が一冊の偉人伝を手に取った そんな 一瞬のことであった
泣かないで 目の前にいるあなたに訴えるけれど 何も聞こえてないあなたには 伝わらないし 願いは届かぬまま 大丈夫 あなたなら すぐそばにいるあなたに言うけれど 何も聞いてくれないあなたは 気付かないし 思いを受け取らぬまま どうして そう何度もあなたに尋ねたとしても 画面越しに映るあなたには 聞こえてないし 答えは返ってこない それでも あなたの瞳から流れ出る涙を 私は拭き取って 慰めたいと思った
アップル、オレンジ、グレープ、ピーチ まだ覚えられていない英単語達。 こんな風にカタカナで書かれてやっと 分かるようになってきた。 今どき りんごのスペルさえ分からないけれども 若者が 有利な世の中になりつつあるけれども 私はまだ、負けていられないと思う。 歳を老いても変わらない負けず嫌い。 今日も一人、英単語帳を開いている。
タンブラーの中身はなんだっていい 君が飲んでるモノってだけで スゴく価値があるのだから それに例えば、そうだな その中身がほろ苦い珈琲であったなら 僕は君を甘やかすミルクになりたい 品の良い紅茶なら 君を楽しませるレモンになりたい 君がどんなひとであろうとも 僕はいつだって 君を新しいステージに 連れていけるだけの人になりたいの それこそが僕なりの愛だから どうか諦めて この愛を受け取ってほしい
新鮮なきみ、という このあたたかみある色 そして、 つるつるとしたたまご肌 きみには驚かされるばかりだよ やっぱり若さには勝てないな、 僕しかいないキッチンで 静かに話を聞いてくれるきみ つぶらなひとみで僕を見つめ ぱちぱち手をたたいて喜ぶきみ と、そのとなりに貴方がいる 白は純粋な貴方を表現するのに、 甘味の照りつける艶は魅惑的で 本当に驚かされてばかりだね 大人の色気には目が眩むよ、 夜を照らす満月よりも 静かに空を抱く雲が僕は好きだ きみも貴方も僕の愛す
ビビッときたんだ 君と目があって それからずっと君のことばかり 冬に近づいていくとね、 僕はマイナスの電気を帯びて よく静電気を起こす ビリビリして痛いから 誰も僕に近づかなくなる 僕も近づかなくなる けど太陽光をこれでもかってくらい かき集めても足りないほどの プラスの電気を帯びてる君は とても心地良んだ だからか僕は近づいていく 磁石のSとNみたいに 吸い込まれるみたいに 近づけば近づくほどに 僕の心には強い電流が流れる でも不思議と痛くない 次の
ふわりとカーテンがなびく 焼けたスコーンとバターの香り 紅茶にもミルクを注いで ゆっくりと流れてゆく時を感じる 彼女は自分の時間に生きる女 ピピピとめざましが声を上げる 焦げたパンとコップから溢れたお茶 徹夜で資料に目を通して 1秒も無駄にしないよう時を気にする 彼は他人の時間を生きる男 二人の部屋の間には浴室があり 彼女は浴室で、彼はシャワーを、 それぞれの時を進んでいく あまりにも焦り過ぎていた男は 女に手を引かれたのに気付けなかった 一人きりになった女が
貴方は自身の悩みにどう対処しますか? そう、尋ねられた。 そんなの、私にはわからないよ。 そんなの、私の方こそ知りたい。 突然の質問に 汗が冷たく流れ、胃は畳のように軋む 視界はぼやける 吐き出したい 「何を、」 私の言うことを聞かない身体を。 消えてほしい 「なぜ、」 私という存在は悪みたいだから。 でも願うばかりで勇気がない、 私は今日も生きている。