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エドガー・ドガ / メトロポリタン美術館
読書記録(原田マハさん)
図書館で先日借りたのは
原田マハさんの「異邦人」という本。
どろどろしていて、読むのがつらい場面もあったけど
なんとか読了!
ここでは内容には触れませんが、
私の人の見方(味方)が本作の中でどんどん変わっていった。
始めは、すこーしわがままな妊娠中の妻に振り回される夫のことを
かわいそう、とか不憫だわ~と思いながら若干味方寄りで読み進めていたがある事件をきっかけに
「おい夫、なにやっとんねん、ほかに方法あるでしょうが!」
と突っ込み、呆れてしまう。
そんな中でも自分の気持ちと向き合いながら
淡々とやりたいことを進めていく妻。
最後には妻が全勝利をおさめ、
夫や周りの家族は敗北。
読者の私も「やったね妻!よかったね!」と調子よく
前から味方でしたよ的な立ち位置で終了するのだ。
ドラマでも映画でも、第一印象が変わることってあまりない気がする。
最初からこの人は悪役、
この人は頑張ってるいい人、とかレッテルを貼るし
サスペンス系を除いては
だいたいはその印象で終わりを迎えるのが私の見方だ。
(まあ少しは変わることももちろんある)。
でもこの小説はそれが本当にガラッと正反対になった。
最初味方をしていた夫のことを最後は大嫌いになり、
最初はあんまり好きじゃないタイプだった妻のことを
芯が強くていい!と評価していた。
舞台が京都であり、
風景を想像できたこともよかった。
家系や血筋のどろどろには衝撃を受けたが、
きっと現実にもあるんだろう。