星新一はタイムトラベラーだと思う
私の中の妄想、星新一はタイムトラベラーだと思う。について
星新一の作品には現代を予言しているようなものが多くあり、初めは未来予言者かとも思ったけれど、ここはSF作家らしく潔くタイムトラベラーであって欲しい。
星新一との出会い
SF作家、ショートショートの神様「星新一」との出会いは中学生の時。
当時は星新一のショートショートの中でも宇宙を題材にしたものを好んでいたことを思い出す。圧倒的な未来感、地球に似た星とか宇宙人がわんさか出てくるショートショートが大好きだった。
そんな星新一のショートショートを大人になってから読み返してみると当時のワクワク感やぞくぞく感とは違う面白さに気づく。
現代をディスっているような風刺的な作品がある事に。
社会を支配するコンピューター
星新一が昭和から令和に遊びに来て書いたであろう作品その1「おカバさま」(未来いそっぷに収録)
星新一リスペクトゆえAIの事をあえてコンピューターと書いてみました。
2023年ChatGPTが大きく話題になったり絵を描くAIが話題になったりと人工知能レベルがあがってきているようですね。
人工知能、AI、コンピューターは欠かせないものとなっていて、人間はどんどん依存しつつあると思います。
「おカバさま」はその、ほのぼのとした題名の響きとは違い、人間と人工知能(AI)との関わりについて書いた作品です。人間にとって人工知能が絶対的に欠かせない存在となった世界で人々が思考を止めた時、ついに人工知能が、といった内容。(よくあるAIの反乱ではない)
とても風刺的な作品なのでAIとの関係性に悩んでいる方へ勝手におすすめしてみます。
生身の人間よりもお前が好きだコンピューター
星新一が昭和から令和に遊びに来て書いたであろう作品その2「オフィスの妖精」(未来いそっぷに収録)
皆さんスマホに依存していませんか。SNSにゲーム、どんどん進む動画。
私はインスタリール沼にハマり1時間以上、覚えてもいないコンテンツに時間をついやしてしまった事があります。また、会ったこともない素敵な異性(ホスト)の動画を永遠と見てしまい気が付いたら数時間が経っていた事も。
「オフィスの妖精」の舞台はオフィスですが、すっごい魅力的なコンピューターが人間の心を掴んで離さない様はまさにスマホ。ちなみにオフィスの妖精は人間の心理を理解していて依存させるように仕向けてきます。恐ろしい妖精。
「オフィスの妖精」はワーカーホリックの風刺だ、という感想もありますが私はコンピューター(スマホ)に翻弄されている人間ではないか。という感想をもちました。
ルッキズムに憑りつかれた女
星新一が昭和から令和に遊びに来て書いたであろう作品その3「見失った表情」(ようこそ地球さんに収録)こちらは2022年にドラマ化されたようです。
整形はとても身近になり、美肌加工やいい感じに写真が撮れるアプリ。そして加工。多くの日本人が外見を綺麗に整え、実物よりもよく見せようと努力をしている現代。ルッキズムなんて言葉も当たり前に聞くようになった。
「見失った表情」は整形うんぬんのお話ではないのだけど、コンピューターを通して”人間以上の完璧な表情”を求めてしまう女性が主人公。まさにルッキズムの風刺という感想です。
ようこそ地球さんは友人に貸していて今手元にないから記憶をたどりながらなので少しあやふや。
おわりに
やはり星新一は予言者ではなくタイムトラベラー説を推したいと思う。
まだパソコンもスマホもなかった時代に未来予測だけではなく現代の風刺をやってのけるのだから。天才なのは間違いないけど。
星新一は今でもたまに昭和から令和をタイムトラベラーとして覗きに来てる。その方がSFっぽいしワクワクできる。
星新一好きの方、これから好きになる方へ。
一緒に妄想話をしましょう。
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