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メカニカルよりパンタグラフ式のMX KEYS miniの方が最高のキーボードに近い理由

「一番の近道は遠回りだった。遠回りこそが俺の最短の道だった」

ジョジョの奇妙な冒険スティール・ボール・ランの主人公、ジャイロ・ツェペリの名言である。この言葉の意味を、いまほど噛み締めたことはない。

あれやこれやと長い年月をかけてキーボードを探してきたけど、結局は一番最初の「薄型・パンタグラフ式が良い」という結論に至った。
しかしこの旅の過程が無駄だったわけではない。むしろこの過程があったからこそ、今の自分は満足していられるのだ。

いま僕がこの文章を書いているのはMX KEYS mini。Logicoolが販売しているラインナップの中でも上位に位置するMasterシリーズで、パンタグラフ式のキーボードだ。

その他、買ったり売ったりを繰り返してきた結果、いま僕の手元に残っているのが「HHKB HYBRID Type-S」と「MX MECHANICAL mini」の2台だ。

両方ともかなり人気のメカニカルキーボードである。僕自身、この二台は本当に気に入っていて、タイピングすることの楽しさを実感させてくれる大切なキーボードだ。

しかし、なんやかんやいって、いまはMX KEYS miniを愛用している。その "なんやかんや" の理由をお話ししよう。

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文章を打つことだけがキーボードの役割じゃない

キーボードって、文章を打つことだけが仕事じゃない。——なんてことは当たり前なのかもしれないのだけれど、実はこれに気がついたのは最近のこと。

たとえば僕はこうやって文章を書くけれども、パソコンを触っている全体の時間に占める割合は、そこまで多くはない。

Lightroomで画像を加工したり、XDで資料を作ったり、AdobePremiereで動画を編集したり。そんな時間のほうが結構多い印象だ。

するとパソコンを前にして「キーをタイプする」という動作は本当に限られてくる。キーボードから手に離す頻度も多くなるし、ショートカットを使うために一部のキーを押しっぱなしにしておく必要もある。

その場にずっと手を置きっぱなしにして、一定のリズムで文章をうち続けるなんていうのは、むしろ一部分をかいつまんだ話のようだ。

HHKBなどは、タイピングが本当に心地いい。ひとつひとつキーを押すと、指先に心地の良いフィードバックが返ってきて、ずっと文章を打っていたくなる気持ちだ。

しかし、キーを押したときに大きく沈み込むので、キーを一回押すため必要な力は大きくなる。タイプしたあと、すぐに指を離すのであればいいが、ShiftやCommandを押しっぱなしにするとなると、指先に結構な負荷がかかるのだ。

その点、MX KEYS miniのようなパンタグラフ式は、キーのストロークが浅いために、軽い力で十分にキーを押せる。"快感" という点においては劣るかもしれないが、省エネでキー入力ができるのだ。

僕は確かに文章を書く。しかしそれ以外の目的で使用する時間も多いため、「タイピングの快感」だけを持ってキーボードの良し悪しを判断できないのだと気がついた。

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瞬発力が大事!いつでも、どこでもが僕には大切だった

最近は自宅での作業が多いが、外出先や仕事場など、いつもの環境とは違う場所で仕事をする機会も多い。そんなときでも、キーボードさえ持ち出せれば、変わらぬパフォーマンスを維持できる。

なので「持ち運べるキーボード」というのは、僕の中で絶対条件だ。

HHKBも、MX MECHANICAL miniも、その点はクリアしている。けど、やはり重いし嵩張るのが難点だ。iPad miniやマウス、パソコン、充電器などと一緒に持ち歩くにはかなりしんどい。

なので、薄型・軽量なMX KEYS miniのほうが、いまの僕のワークスタイルには適している。

また、文章を書くのだが、必ずしも "パソコンで" というわけではない。iPadのときもあれば、iPhoneのときもある。

家の中にいるときであっても、ふとした瞬間にアイデアがぶわーっと湧いてきて、すぐに文章を書き残しておきたいこともあるのだ。

そんなとき、いちいちパソコンを開きたくはない。かといって、フリック入力でちまちまと入力したくもない。

家の中であっても、パパっとキーボードを持ち出して、一番近くにあるデバイスに接続。そのままメモ帳を開いて、バババッとキーボードを叩く。

そんなフットワークの軽さも、MX KEYS miniならではの魅力だ。

HHKBでもいいのだけれど、ちょっと感覚的に違うのだ。どうしても "よっこいしょ" という助走が必要な感覚で、僕にとっては、気持ちの切り換えがうまくいかなかった。

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十分に快適なタイピング体験を提供してくれる

上記のようなポイントを重視しつつも、キータイピングの楽しさ・心地よさを犠牲にしていないのが、MX KEYS miniのいいところだ。
パンタグラフ式ではあるが、タイプしたときには十分なフィードバックを指先で感じることができるのだ。

マットな質感による気持ちの滑らかな触り心地。
キーから跳ね返ってくる心地の良いフィードバック。
リズミカルに奏でられるタイプ音。

どれをとっても、MacBook Air に備え付けられているキーボードよりも優れている。だからわざわざ、カフェに行くだけなのに、僕はこいつをカバンに突っ込んでいくのだ。

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執筆後記

そんなわけで、今はMX KEYS miniを絶賛愛用中。

しかし僕のタンスの中には、今か今かと、HHKBとMX MECHANICAL miniがスタンバっている。このふたつも素晴らしいデバイスであることに変わりないので、手放すことはしないだろうなぁと思っている。

僕自身、飽き性であり、気が移ろいやすい性格なので、1ヶ月後にはまた違う理由で「HHKBサイコー」って叫んでるかもしれないなぁ。

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