錆びた包丁をキレイにする
「♪ 包丁い〜っぽん、さらしに巻いて〜、と、くらぁ」
包丁を研いでいると、『男はつらいよ』で寅さんが料理屋の手伝いをしていた時に歌っていた一節が思い浮かぶ。
僕が普段使っている包丁は2本。
メインは堺一文字一平の牛刀。
もう一本はIKEAの中華包丁である。
堺一文字は銘が入った高級品、なんでこんないいものを僕なんぞが使っているかを少し書かねばなるまい。
もともとこれは兄が実家の母の誕生日にプレゼントしたもの。
しかし、母いわく「切れすぎて怖い」とのことで、悲しいことに少し使われたきり、そのまま戸棚に仕舞われたままとなっていたのだった。その後、私が実家をでるタイミングで適当な料理道具を持ち出そうとしていたところに目ざとく見つけ、そのまま戸棚で一生を終える運命となる彼を救い出したのである。
しかし、この包丁、一般的な包丁と異なり、鋼でできている。SUS(ステンレス)であれば、ほぼメンテナンスフリーだが、鋼は油断すると錆びてしまう。当然この包丁も長期保管により錆が発生してしまっていた。刃は研げば切れ味が戻るので実用性は問題ないものの、側面(包丁の腹)の錆は見た目が悪くて気になっていた。
そこで今回この包丁の錆を落としてきれいにする作戦を決行したのでレポートしたいと思う。
今回使用するのは、錆取り砂消しゴム、その名も「サビトール」。「ドイツ生まれ」という触れ込みやその名前はいかにも怪しい通販番組のようだが、結論から言うとなかなかいい仕事をしてくれた。
紙やすりや砥石と一緒で番手が選べるが、今回は「中目」を選択した。
使い方はごくごく簡単で、水に濡らして金属の表面をこするだけ。
僕は柄の部分が外にはみ出すようにして、刃の腹をまな板に密着させて安定させた状態で、ひたすらサビトールでゴシゴシした。サビトールの消しカスや錆の粉でまな板が汚れるのが気になるようであれば、木の板やいらない雑誌など包丁が安定するものの上ならどこに置いても構わない。
半信半疑でこすっていると、ものの30秒で錆が落ちていく。
驚くことに3分もこすれば目立っていた茶錆は落ちてしまった。
こうなれば錆落としが楽しくなって、柄の部分や細かい部分も丹念に磨いていく。
10分ほどで全体が見違えるほどきれいになった。薄く黒錆の模様が残ったが、錆取り前の状態からすれば十分及第点だろう。
刃の部分にもサビトールをかけてしまったので、いつも使っているIKEAの研ぎ器で研磨し直して完成!
これでますます食材を切るのが楽しくなりそうだ。
ちなみにIKEAの研ぎ器、FINLANDのFISKARS製で京セラの研ぎ器と同一メーカー製らしい。京セラの説明動画では思いっきりFISKARSのロゴが入った研ぎ器を使って「京セラのセラミック技術が活きてます!」と言っていたが、セラミックだけは京セラが供給しているのだろうか・・・。
IKEAは¥599、京セラは¥999。IKEAの方が安いが、IKEAは「必ず水を入れて使ってください」の指示。京セラは水なし推奨。やはり、砥石が違う?
ちなみにIKEAの中華包丁、最初は切れ味イマイチだったが、研ぎ直したら見違えるように切れるようになったのでお試しあれ。
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