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「家族の幸せ」の経済学

『経済学』といわれると、なにやらお金にかかわる小難しい話をされるのではないかとドギマギしてしまう。しかし著者に言わせてみるとそうではない。経済学とは、人びとがなぜ・どのように意思決定し、行動に移すのかについて考える学問をいう。経済学で得られる知見を『家族の幸せ』に活かす。これが本書のタイトルが言わんとしていることだ。

本書は「家族の幸せ」に関連する6つの章(結婚、赤ちゃん、育休、イクメン、保育園、離婚)で構成されている。

本書では、当たり前だとされることをデータで示すことの重要性をことあるごとに説く。当たり前と考えられていることのデータが得られない場合、それは「当たり前でない」ということになる。だから事実関係をふまえた上で、社会を理解しなければならない。これが著者が強調する点だ。

私はまだ未婚だが、本書はこれからの将来、つまり結婚や子育てをより立体的に照らしてくれる。なかでも育休が仕事へ及ぼす影響は非常に興味深かった。ノルウェー、スウェーデン、カナダの研究結果によると、4週間の育休でその後の所得は2%減少し、それは子どもが5歳になるまででも元に戻らない。2%といえど、4週間の育休で所得が減少するのは驚きだった。

データをもとに冷静に現実と向きあえば、自分の目指す将来像がよりクリアになる。フェイクがあふれる今だからこそ、データを確認して理解していかなければならない。今の時代に求められるデータリテラシーとはなんなのか、本書を通じて考えることができる。




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