「全元号」を体で感じる書展について.2 和紙
今日もヘトヘトになるまで書き終えた。朝の5時過ぎ。ヘトヘトです。
というところで紙について話そうと思います。
元号を書くにあたって、どんな和紙を使おうか、いろいろと探していたところ、手漉きの、未晒(みざらし)の楮紙(こうぞし)を見つけました。
未晒とは、漂白していないこと。紙本来の自然な色合いが出るんです。
楮紙とは、楮という植物を原料とした和紙のこと。聖徳太子の時代から使っている伝統的な和紙で、繊維が強いので和紙自体にも腰があり、書きごたえがあります。
僕はもともと楮紙が一番好きだったので、今回もそうしようと思っていたんですが、元号は645年の「大化」から始まるわけですので、「手漉き」「未晒」「楮紙」はまさに和紙のルーツ。日本の文筆の黎明期から使われている和紙の仕様なら全元号の受け皿になるなと思いました。
で、購入したのが、三重県津市にあるミフジさんというメーカーの「土佐和紙 天下一品」。厚さもちょうどよく、繊維のきめ細やかさもすばらしく、頑丈です。墨の染み具合、滲み具合(ほぼ滲まない)は僕の求めていたところで書きやすく、手漉きの風合いも最高です。
と書き心地の感想を述べてしまったけど、まずその前に一枚が990mm×630mmと大きいため、四つ折りにして水で切り、四枚作ります。半紙より一回り大きなオリジナルサイズですが、(主に)漢字二文字を自由に書くにはうってつけのサイズです。
水をつけた筆を、折り目に合わせて走らせます。
切って、出来上がった紙がこちら。
200枚注文し、800枚を作り、それでも書き切れなかったので30枚を追加注文して120枚作ったのですが、「昭和」まで書き終わったところでそれも使い終わってしまい、再度、いましがた追加注文しました。ミフジさんは対応がめちゃ迅速で、すぐに届けてくれるので助かります。多分明後日には届くかな。
展示まで10日ほど。ラスト「平成」と「令和」を書き、全部を見直して少しだけ書き直す予定です。
なにはともあれミフジさんの「手漉き 未晒楮紙」は最高にいいです。この和紙なくして、今回の書はありえません。
筆と和紙と墨汁。この三つの相性が書を決定づけます。この「手漉き 未晒楮紙」は、これからも僕の必需品になりそうです。
(次は筆について話そうかな)