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書評 梟の城 Fxxk! 司馬史観

五十路のおじさん、ばっどです。

梟の城
司馬遼太郎

司馬遼太郎。という名を聞いて、読書好きの皆様はどんな印象を持たれるか?歴史に一家言あって、日本史を俯瞰的かつ聡明に見通した史家・・・みたいとちゃいますかね?
個人的には、そうではない。
つまるところエンタメ作家なんちゃうん?というのが、ばっどの司馬センセイ評。なぜなら、ばっどが読んだ司馬作品はこれだけ!!だからです。

竜馬がゆく?坂の上の雲?燃えよ剣??知らんがな。

梟の城は何といっても直木賞作品。
秀吉暗殺を目論む、葛籠重蔵という忍者が主人公。生き方を異にする相弟子の風間五平がライバルっちゃライバルです。
で、個人的な当作品の見どころは「忍者はモテモテ」というところです。
重蔵も五平もめちゃモテます。
おげひんな言い方をすれば、くのいちが股を開いて擦り寄ってくるくらいの勢いです。

重蔵はどっちかというとそのへん頓着がない、生き方が、ザ忍者。
五平は対称的なキャラで、ストーリー中で紆余曲折を経た両者の行く末もまた対照的だったり。
ディテールはともかく、面白いという部分はハズレなしです。

当作品は、戦後の忍者小説の嚆矢ともいえる作品。
時期的にも山田風太郎の「甲賀忍法帖」と双璧のようです。
つまり、この作品が後世の「忍者像」を作っちゃったわけです。
実際とはちょっと違う感があります。

これと同様に、坂本竜馬も新選組も、司馬センセイがその超絶面白文章力で、後世の日本人にイメージを確立したちゃったんじゃないの?という気がします。つまり史家などではなく、その神髄はエンタメにありと。
まぁ、先生の他の著書をそれこそ1ミリも読んでないばっどの談ですので、全くアテにはなりませんが・・・

他の作品も一級のエンタメであろうことは想像に難くありません。
とりあえず日本史を楽しむなら司馬作品!
一冊も読まずに(無責任な)太鼓判を押させるくらいのパワーはある本だと思います。

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