ばっど

脳のトレーニングのために書評的なことを書き始めた50過ぎのおじさんです。 記憶力の衰え…

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脳のトレーニングのために書評的なことを書き始めた50過ぎのおじさんです。 記憶力の衰えが著しく、人の名前と漢字が特にキケンな領域に入ってます。 リターンライダー。 星景写真を撮ったりレースを観に行くためにキャンプしたりもします。

最近の記事

書評 今夜すべてのバーで 超奇人作家の(おそらく)最高傑作

五十路のおじさん、ばっどです。 今夜すべてのバーで 中島らも 「僕に踏まれた~」を引っ張り出した以上、この本は無視できません。 ざっくりいうと作者本人のアルコール依存による入院体験をもとに書かれた、「アル中小説」。 初期の作品だが、結局これを超える小説作品は出なかったような気がする。それなりに著者の新作は、出るたびに読んでいたはずだけど。 主人公、小島容(いるる)は35歳の作家。 若き日には無頼を重ね、長年の過剰飲酒は連続飲酒となり、ついに体(肝臓)が悲鳴をあげ、入院

    • 書評 クラッシュ 絶望を希望に変える瞬間(とき) モータースポーツ+医療

      五十路のおじさん、ばっどです。 クラッシュ 絶望を希望に変える瞬間(とき) 太田哲也 1998年5月3日の全日本GT選手権が開催された富士スピードウェイ。 強雨の中のローリングスタートで、その事故は起きた。 この事故で火災を起こした車両をドライブしていたのが本書の著者、太田哲也氏。 燃え盛る車両のなか、救出まで1分以上(救助したのはオフィシャルではなく、他のレースドライバー)。 ドクター曰く「ニキ・ラウダの10倍」という重度の熱傷を負った太田氏。彼が一定の回復をみ見るま

      • 書評 破滅 ー 梅川昭美の三十年 何故か惹きつけられる凶悪犯罪の記録・・・

        五十路のおじさん、ばっどです。 破滅 ー 梅川昭美の三十年 毎日新聞社会部編 昭和54年1月26日。 令和の今をもってしても、その異常さは未曽有といえる凶悪犯罪が発生した。三菱銀行北畠支店 猟銃強盗人質事件。 現金の強奪に失敗した犯人の梅川昭美は、駆け付けた警官のうち1名を所持していた標的射撃用散弾銃で射殺。 行員、来店客40名を人質に42時間にわたり立て籠もり、うち4名意を死に至らしめたのみならず、ちょっと書くのも憚られるような猟奇的な残虐行為を人質に対し働く。 最終

        • 書評 僕に踏まれた町と僕が踏まれた町 異色すぎる青春の道標!

          五十路のおじさん、ばっどです。 僕に踏まれた町と僕が踏まれた町 中島らも すでに鬼籍に入られた、兵庫は尼崎出身の超異色作家?の新聞連載エッセイの書籍化です。 新聞連載期間は87年3月~88年12月。 当時実家か購読していた朝日新聞の播但版のローカル別刷り版に連載されており、当時高校2~3年生だったばっどには刺激的な内容で、毎週楽しみにしていた。 89年6月に書籍化され、購入して手元にあるのは20刷(93年2月)なので、社会人になってからわざわざ買ったと思われる。 衝撃的

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        • 書評 クラッシュ 絶望を希望に変える瞬間(とき) モータースポーツ+医療

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          書評 兵士に聞け 防衛問題はヒトゴトか?

          五十路のおじさん、ばっどです。 兵士に聞け 杉山隆男 ノンフィクション作家である著者のライフワークともいえるシリーズの初刊。超あっさり言ってしまえば自衛隊の密着取材記。 刊行時期の地政学的な安全保障上の問題と自衛隊とのかかわりや、隊が内包する問題を大きなテーマとしながら、紙幅の多くが取材対象者である隊員のパーソナリティや来歴、彼らの身の回りで起こる出来事に割かれているのがポイントです。 キャラクターがわかる個人が、こういう形で防衛問題にかかわっているとことが示されること

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          書評 アルプス席の母 最強コンテンツとしての高校野球

          五十路のおじさん、ばっどです。 アルプス席の母 早見和真 珍しく最新のベストセラー。 高校野球児とその母親の約3年間のストーリー。 内容としては熱闘甲子園的な部分と、ああいうメディアでは絶対に出てこない「業界事情」を絶妙に織り込みながらも、爽快な読後感をもたらす親子の成長記で、間違いなく面白い。 時系列を巧みに操ることで、読み終わりにやられたな~と思わせる著者の巧者ぶりも好印象です。 お話が成立するベースは、日本における「最強コンテンツとしての高校野球」の存在。 選手

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          読書の処方箋 自分探しに効く パシヨン 川越宗一 その2

          五十路のおじさん、ばっどです。 パシヨン 川越宗一 書評リンク 処方箋リンク1 いやしかし、このお話が連載されていた時、本当に毎朝新聞が楽しみで。 本当に面白いので読んでない方は是非読んで頂きたい。 なので3回目。 どんなお話かは、書評リンクをご参照ください。 お話の柱の一つは主人公マンショの成長譚と変わらなさぶり。 必死に考える、生きていくには必死に考えざるを得ない。 その結果得られるのは、成長というより、「気付き」。 考えた末であったり、人に言われたことを思い出した

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          書評 梟の城 Fxxk! 司馬史観

          五十路のおじさん、ばっどです。 梟の城 司馬遼太郎 司馬遼太郎。という名を聞いて、読書好きの皆様はどんな印象を持たれるか?歴史に一家言あって、日本史を俯瞰的かつ聡明に見通した史家・・・みたいとちゃいますかね? 個人的には、そうではない。 つまるところエンタメ作家なんちゃうん?というのが、ばっどの司馬センセイ評。なぜなら、ばっどが読んだ司馬作品はこれだけ!!だからです。 竜馬がゆく?坂の上の雲?燃えよ剣??知らんがな。 梟の城は何といっても直木賞作品。 秀吉暗殺を目論む

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          書評 F1グランプリボーイズ F1ブームの曙、当時現役F1メカ異色のエッセイ

          五十路のおじさん、ばっどです。 F1グランプリボーイズ 1~4巻 津川哲夫 なんと1970年代からF1のメカニックとして世界に飛び込み、メカ引退後の今も解説などでなお馴染みの津川さんのエッセイ集。 いまでも昭和な雰囲気を残しつつ今も続く自動車雑誌、「ベストカー」の連載。80年代後半~メカを引退した90年までのお話です。 87年から鈴鹿でF1レースが開催され、88年には故エヤトン・セナが劇的な戴冠をし、フジテレビや昭和シェル石油のプロモーションもあり、F1ブーム、セナブー

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          読書の処方箋 子供の成長をどう見守るか? パシヨン 川越宗一

          五十路のおじさん、ばっどです。 誰かに自分が気に入った本を読んで欲しい。と思って書き始めた書評であるが、新聞の書評欄でもなく、出版社のおすすめでもない。 誰が気が付くねん? もう少し当初の志を強めた内容とすべく、「処方箋」として、一度紹介した本を具体的に役立つカタチで紹介してみます。 書評ではでっっきるだけネタバレを避けましたが、ここでは若干のネタバレを含みます。 パシヨン 川越宗一 書評リンク 概要は書評をご覧いただくとして。 このお話は主人公、長じて宣教師となる小

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          書評 アメリカよ!あめりかよ! BIG tomorrow的?80年代青春的熱血譚!!

          五十路のおじさん、ばっどです。 アメリカよ!あめりかよ! 落合 信彦 最近は特に話題になることはなく、どちらかというと経歴詐称じゃねーの?とか、ご子息の陽一氏へ注目が集まりがちですが、一時期は国際ジャーナリストとしてアサヒスーパードライのテレビCMに出たりと脚光を浴びていた著者の青春譚。 アメリカ留学を志し、オイルマンを経て物書きにならんとするまでの来し方を、熱量溢れる筆致で綴った、個人的には歴史的な名著。 (ちなみに件のテレビCMは、渡部陽一氏を戦場カメラマンに導くき

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          書評 Winny 電子書籍がイイ本もあります

          五十路のおじさん、ばっどです。 Winny 天才プログラマー金子勇との7年半 壇 俊光 電子書籍がイイというより、電子書籍のみですね。 ファイル共有ソフト「Winny」を開発したプログラマーが逮捕され、その弁護を担うことになった弁護士さんが著者。 結果無罪とはなったものの、必ずしもハッピーエンドではないお話です。 が、語り口は軽妙。 金子氏のキャラクターも相まって、面白く(英語のintrrestingの方)読むことができます。 しかしというか当然というか、中身は硬派

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          書評 パシヨン 読書好きならとにかく・・・ 

          五十路のおじさん、ばっどです。 パシヨン 川越 宗一 地方紙の連載小説の単行本化作品。 恥ずかしながら新聞で読むまで、直木賞受賞作家ということを存じ上げなかったが、肩書はともかく、連載で話は全部わかっているのに、お金を出して本を買ってしまった、個人的にはそーゆーレベルの作品です。 ざっくり説明すると小西行長の孫で後にイエズス会司祭となる小西マンショと、小禄の身代から立身出世し、幕府総目付までになる井上政重の二人を軸にした物語。 江戸初期、キリスト教信仰の禁令、弾圧が強ま

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          書評 勇魚 ガイジンさんが描く日本の歴史活劇

          五十路のおじさん、ばっどです。 勇魚 C.W. ニコル 書評のネタを探して本棚を漁る。 若かりし頃に読んだ本も結構残っていて、その中の一冊(文庫上下セット)。 高校時分に氏のエッセイはずいぶん読んだ。 自然の中で生きていけるヒトに憧れがあったのだと思う。 また、自分はキャラとしてはおとなし目だったので、「やんちゃ」にも惹かれたのであろう。 で、この本はエッセイではなく長編の物語。その存在は知っていたが、大人(20代前半)になって、やっと読んだという記憶がある。 幕末

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          書評 たそがれ清兵衛 映画は看板にイツワリあり。。

          五十路のおじさん、ばっどです。 たそがれ清兵衛 藤沢 周平 時代ものの超人気作家、藤沢氏の短編集。 著書は何冊か読みましたが、ハズレなく安定の面白さ。 この本の各お話の共通点は、日ごろはさえない侍が実はかなりの遣い手で、それを軸にしたお話というところ。 短編だけにどのお話も言葉のそぎ落としがきいていて、主人公の剣の腕同様、切れ味抜群です。 この本にたどり着いたのは、同名の映画が人気だったから。でも映画は見てませんでした。 本を読んで面白いやん!ということで後日になって

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          書評 桜井章一著作集 読む面白さ>自己啓発

          五十路のおじさん、ばっどです。 今日は自分が読んだことがある雀鬼こと「桜井章一」氏の著作を3冊いっぺんに。 負けない技術 人を見抜く技術 決断の作法 探せば氏の著作はまだまだあるでしょうが、上記3冊も本質的に同じことを、応用する局面や視点を変えながら語っているので、自分好みのものを探せば各々楽しめるんじゃないかと思います。 経験談などを聞く(読む)と、この人超人か!!と思うようなエピソードも多々あるのだが、それに関連付けて語られる、考え方や物事への取り組み方のメソッド

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