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ゲーム開発資産を「SAVE」しよう〜後世に残すために〜

昨日、HD-2Dのリメイク作品について書いたが合わせて言いたいことがあった。それはゲーム開発、作ったら終わりにしないってこと。開発中の試行錯誤や設定資料、仕様書はもちろん議事録も含め取っておいて欲しい。

■リメイク・リマスターが楽ではない理由

今リメイクやリマスターされる作品は20〜30年前ってことも珍しくない。そのため、資料がいい状態で残っていない。10数年前のタイトルでさえ手を入れるのに必要なモデルデータやフォトショップデータも揃っていなかったりする。

●攻略本が仕様書

つまり開発側なのに入手できるデータはユーザーとほぼ変わらない状態。それでリメイクやリマスターを作るって…データを何らかの形で吸い出すか目コピになってしまう。仕様書なんて無いから攻略本を仕様書代わりになったりするのは信じられないだろうがホントの話し。

リメイク、リマスターはお手軽。安上がりって思っている人はこの実情を知らない人達。リメイクだから改変は許されず原作の作りが謎、スパゲッティーなんて新作より厄介なことも多い。決してお手軽ではないのですよ。

当時の開発者がまだ在籍していて、その知見を口頭で聞けたりしたらまだいい。でも10年も経てば当時の主要メンバーのほとんどが散り散りになっていたりするのがこの業界。場合によっては競合の開発会社、パブリッシャーに行ってしまったがために話しを聞こうにも聞けないなんて事情もある。

そんな場合は、非公式に飲みに誘って情報やデータを入手するなんて諜報活動的に手を回さないとってことだってあるのだ。原作があるって、むしろ逆に厄介かもしれない。

■救世主「SAVE」 PROJECT

近年、リメイクの話しも増えて来た背景からか「SAVE」って活動が記事になっていた。これは凄くいいっ!各社さん、見習って同様の取り組みをされたし。

具体的には,本来なら公にしない企画書やラフスケッチ,初期アートといったゲーム開発に使われた膨大な資料を編纂し,可能な範囲で公開して社会に還元することを指す。

記事より一部抜粋

後々のリメイクや続編制作、ナレッジとしてもこういうのが欲しかった。
難しいだろうけど一部でも一社で持つのではなく、業界の資産として有料で公開ってのもいい。インディーズや学生さんにも貴重な学習資料になる。

■今の作品ならむしろやりやすい

svnやgit、P4vとかプロジェクトのバージョン管理ツールもあるしゲームエンジン意外のアセットも丸ごと管理しるはず。わざわざ納品って工程を作らずともデータ丸ごと共有できているはずだ。
「SAVE」のようなデータベースに適したディレクトリ構造やナレッジ共有のためのwikiなんかもある程度最適化されば開発フローも同時に検討できたら今後の開発にも有効な部分があるかもしれない。

■過去の資産から新しいものが生まれるかもしれない

世に出なかった作品、当時の開発者だけが持ってしまったデータなどお宝がきっと沢山あるはずだ。当時はまだ時代が追いつけなかったなんて話しはよくある。

「早すぎたんだ」(クロトワ)

そういったお宝さがし的な意味合いでも面白い試みと言えよう。


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