欧州トレイルGR20を歩いてみた【3】
この夏、地中海にあるコルシカ島を横断する有名なトレイルGR20を一人で歩いてきた(北半分だけ)これはその感想文の続きで、最後の章。
ではでは。
【6日目】Refuge de Manganu via Lac de Capitello — Bergerie de Grotelle (hitchhike to Corte)
最終日。ちょっと寂しい。あと二日欲しかった。
今朝は久しぶりにゆっくりと起きた。今日は金曜日。明日の土曜日の午後の飛行機でドイツに戻らなければならないため、今日中に下山することにした。みんながRefuge de Petra Pianaへ向かう中、わたしは途中、Capitello湖から下山し、Bergerie de Grotelleの駐車場まで歩き、そこからヒッチハイクしてCorteの街へ降りることにした。
朝、キッチンへいくと、なんと初日のバスで出あったフランス人家族と再会。家族でハイキング、素敵。
朝、川の技術士Aに別れを告げ、パスタをたらふく食べさせてくれたLとVにもバイバイをして、ひとり歩き出した。
途中、ソロハイカー同志の集団に遭遇。ベルギー人、スロベニア人、イタリア人、ドイツ人の4人組。みんなたくましい。
「おお、君もひとりかい?」
そうだよ、でも今日下山するんだあ。そこの湖から降りるんだよ。
なんて答えたら、
「ええええ!水!!!降りなければ!」
声を揃えて「湖」の一言に反応した四人。なんと、ザックをGR20上におき、湖で泳ぐために下山路を降りてきた。
Capitello湖に着くと、じゃっっぼーーーん。直径200mくらいはあるのにみんな平気で泳いで反対岸へ。湖の壁ではクライマーがマルチピッチを登っていた。たぶん、みんなそれを下からみに行ったんだと思う。
わたしも湖で泳ぎ出したら
「こらあああああああああ」
(泳ぐの禁止でした)
下山途中、泣きそうになりながら歩いている女性を見かけた。足元をみると、登山靴の底が完全に剥がれ落ちている。
えええ、と思いながら後ろを歩いているとすれ違った家族が、
「ああ、わたしたちもこの間同じことがあったわよ!」
なんて言うから、そんなことあるか。なんて思った。
Capitello湖からCorteへ降りる登山道は、とても人気なハイキングコースで日帰り登山者の渋滞だった。
途中で出あったドイツ人家族と連絡先を交換するほど仲良くなり、その家族がCorteまでの残りの道のりを車でのっけてきてくれた。
「今晩はどうするのかい?」
いやあ、まだ未定なんですよね。Corteでどこか宿探します。
最終的には宿探しまで手伝ってくれ始めたけれど、結局節約のためにキャンプ場を探すことに。
久々に新鮮なフルーツを食べれる贅沢さ。桃の季節で、安くて甘くておいしい!豪快にかぶりついた。
結局、Camping Chez BarthoというCorteのキャンプ場に泊まることに。ひとり一泊1000円ほどで、設備も完備されていてレストランもある。川でも泳げる。旧市街地から徒歩5分、最高!
その日は一人でたらふく食べました。
2年ぶりくらいにステーキ食べた。
翌朝は、キャンプ場の川で泳いでから電車にのって空港まで。
CorteからBastia空港まで
Corteは大きめの街でありながらも、CorteからBastiaまで行く電車は1日3本のみ。しかも、空港自体はBastia市内から車30分ほど南に位置しているため、Bastiaまで電車で行ってシャトルバスに乗るか、手前の駅で降りて1時間歩くか。その2択。
わたしは、せっかくだし歩くか、なんて思って下車したら間違った駅。あちゃーやらかしたわ。
下車した人は他にスーツケースを持った女性と女の子のひと組のみ。
どうしよう、なんて思いながらわたしのつたないフランス語で彼女とおしゃべりし始めると空港まで車で送ってもらえることに。みんな優しすぎ。
フランスの北の方出身だけど、Gendarmerie (国家憲兵)として働いている彼女はコルシカ島に数年前に一人で引っ越してきたらしい。今は姪っ子が遊びにきているのだとか。かっこいい。
最後に
たくさんの素敵な出会いいっぱいの旅だった。たったの1週間だったけど、ものすごく濃かった。山に行くと、いっときいっときがすごく濃く思い出深く感じる。ちょっとした出会いも、印象的で脳裏に焼き付けられる。身体的にはきつい時もあるし、何十時間もただひたすら歩き続けることになんの意味があるか?ってよく友達には不思議がられるけれど、歩くってシンプルな行動、なんか病みつきになるんだよな。
これからも世界中、いろんなところを歩ける限り歩いていきたい。
ここまで読んでくれたひと、ありがとうございました。