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「仕事ができる教員」とは?
「仕事ができる」という言葉を聞いてあなたはどのようなイメージをいだきますか?斬新な提案ができる、事務処理が速い(早い)、1を聞いたら10の仕事ができる、提案書が美しいなどでしょうか。その業界によっても違うかもしれませんね。書店などには「仕事ができる人になるための〜」といったビジネス書がたくさん売られています。パラパラとめくってみると大体同じことが書いてあります。タスク処理の仕方や時間の使い方などです。参考になることも多くあります。
さて、教育業界、いえ学校という組織で「仕事ができる」という言葉は何を指すのでしょうか?正確に言えば「仕事ができる教員」とはどういった教員なのでしょうか?・・・2年ほど前でしょうか、若い先生が職員室の中で「○○先生はやっぱり仕事ができる先生ですよね」といった話をしていました。ふとその言葉を聞いて、違和感を覚えました。教員に採用されてから「仕事ができる教員」というワードを聞いたこともなかったし、考えたこともなかったからです。
教員の中では「あの先生は授業がデキる」という言葉がよく使われるように思います。ただ仕事をそのまま授業に置き換えて、「仕事ができる教員とは授業がデキる教員」とするのは少し違和感があります。教員の仕事の主な部分は授業なのですが、どうもそれを仕事と捉えることが少なくなってきたのではないかと思うのです。
斎藤喜博氏のような大家が活躍されていた時代は授業=仕事と捉えても良かったのかもしれません。一方現代においては授業はこなせて(デキると意味が違います)当然で、その他の業務処理のスピード、正確性が教員には求められているように思います。合わせて、担任を任せられることは大前提です。(残念なことに「あの先生には担任をもたせられない・・・」といった声は多くの学校で聞かれます)また、特別支援学校においては10年ほど前から書き物の量がグッと増えました。いつの間にか授業の質よりも書き物の質の方が大切になっていると感じることもあります。時代の流れから多くの学校でタイムカード制が導入され勤務時間の管理が見える化されてきました。それに伴って夜遅くまで学校に残って仕事をするということが減りつつあるのではないでしょうか。しかし、まだまだ遅くまで仕事をする教員=熱意がある、評価に値するといった古いタイプの管理職がいるのも否めません。一方諸外国の価値観に影響されてか、残業をしない教員が優秀であると考える管理職も増えてきたように思います。
つまり仕事ができる教員とは「(一定レベルの授業・生徒指導・学級経営ができている前提で)書類作成や係業務をそつなく、素早くこなして、さっさと帰る教員」なのではないかと捉えています。ある種特別だった教員の世界が、少しずつ良くも悪くも現代社会とリンクしつつあるように思います。(ちなみに私はこの定義だと仕事ができる教員にはあてはまりません・・・)
皆さんはどう思いますか?皆さんが思う「仕事ができる教員」とはどんな教員かご意見いただけると幸いです!