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森元首相の騒動からみる年を重ねたあとの在りかたについて

世間では東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長(83)の女性蔑視発言・辞任表明において物議を醸していますね。

世間的には「最低な言動」として言動そのものやその後の対処の仕方について注目されていますが、
そちらについては連日報道でバッシングを受けている通りなので、ここでは敢えて別の視点に着目してみます。

森元首相は前述した通り、現在御年80歳を超える高齢な方です。
「そんなの見りゃわかる!」という感じなのですが、
ここが最大のキーポイントだと思っています。

今回の騒動で何が一番マズかったかというと、
今現在、日本国外ではレイシスト(人種差別主義者)、女性蔑視、ジェンダーフリー、LGBTなどなど、国際的にいろいろな差別問題を抱えています。
それと同時に、世界では「個人的な思想・価値観を尊重しよう」という動きに大きく傾いています。

森さんの一番の問題点は、
「オリンピック」という国際的な行事において女性蔑視発言をしてしまったこと。
そして森さんが、その世界の動向に沿っていなかったことです。

けれども、これは森さんの年齢からして、無理もないことかとも思います。
団塊の世代よりも上の世代の方々にとって「女性蔑視」は日常の風景であって、特に「問題でもなんでもない」ことでした。

これは歴史を見る限り明らかですが、日本において、その時代に「女性の人権を尊重しろ」なんて言う人はまずいなかったでしょう。

そんな「女性を下に見て当たり前」の世代に生きていたことがまずかったのではなく
それを180度転換した現代の、それも「世界の」基準に沿っていなかったことが最大の問題でした。

言うまでもなく日本は島国なので、森さんに限らず、若い世代の方々においても世界に目を向けられている方はまだまだ少ない印象です。
これは、外資系企業で5年間勤めている私ですら身をもって感じることです。

世界で起きる問題は「蚊帳の外」「自分には関係ない」
こととして、今現在海の向こうでは一体なにが起こっているのかを学ばない・知ろうとしない人が少なくありません。

しかし世界はつながっているので、どんなに遅くともかならず日本国内にも影響を及ぼし、森さんのようにそれに気が付かず日々を過ごしてしまう人が出てきます。
そういう人はどうなるかというと、世界の基準からどんどん「常識」が外れていくので、いつの間にか置いてけぼりを食らいます。

それを森さんが今回の騒動で、まさしく体現してくれました。

これの一連の騒動から見た通り、
「世界なんて興味ないしどうでもいいし」という人は、
今すぐにでも目を向けるべきです。

そうでなければ、いつまでも自分の古い価値観に固執していることに気が付かず、
いつのまにやら「常識知らず」「恥」と呼ばれるようになっていきます。

そうなると、つぎに「老害」と揶揄され、侮蔑されるのはあなたかもしれません。

森さんはある意味ではかわいそうな人でもあるかもしれません。
自分の常識だと思っていたことが、いつの間にやら置いてかれて
気づかぬうち(自覚せず)こんなにも世間から、周囲からバッシングされることになろうとは、ご本人は露ほども思っていなかったはずです。

もっと言うと
自分自身においても同じように、現在の価値観で60代、70代、80代とそのまま年を重ねようとすると同じ憂き目に遭う危険性があるということです。

森さんはそのことを身をもって知らしめてくれたので、
これはからはそれを心の隅に置いて、常に世の中の動向を見張っていようと自分に対しても肝に銘じてここに記します。


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