クライマーの生理学「糖質について①糖の種類」
僕たちが普段食べている食品の中に「糖質」や「糖類」、「炭水化物」という表示を見かけます。
それらは一体何が違うのでしょうか。
糖の種類
「炭水化物」
炭水化物とは炭素と水を含む化合物であり、”糖質”と”食物繊維”が合わさってできたものも炭水化物といいます。
パン、パスタ、ごはん、お菓子など、主食となるものはほとんど炭水化物なのです。
「糖質」
糖質は、太陽の光と二酸化炭素と水を使い、植物が生み出します。
単糖類、二糖類、少糖類、多糖類に分けられ、左から順に分子の結合が多くなり消化速度が遅くなります。
「単糖類」
糖質の中で一番小さいもの(分子が一個のもの)を単糖類と呼びます。
単糖類はブドウ糖(グルコース)、果糖(フルクトース)、ガラクトースに分けられ、消化吸収が早く、水溶性となります。
「ブドウ糖(グルコース)」
果物や砂糖に多く含まれます。
血液中に血糖(グルコース)として運ばれエネルギーになるが、余った分は肝臓でグリコーゲンに変換され体脂肪となります。
「果糖(フルクトース)」
果物やはちみつに多く含まれ、とくに甘みを感じます。
エネルギーとしても使われるが、中性脂肪や尿酸を増やす作用がある。
「ガラクトース」
乳製品に多く含まれています。
過剰摂取は白内障の原因になります。
「二糖類」
糖類が二つくっついているものを二糖類と呼び、ショ糖(スクロース)、麦芽糖(マルトース)、乳糖(ラクトース)に分けられる。
「ショ糖(スクロース)」
砂糖やサトウキビのことを指し、ブドウ糖一分子と果糖一分子からなります。
調味料やお菓子の原料となります。
「麦芽糖(マルトース)」
ブドウ糖(グルコース)の分子が2つ結合すると麦芽糖(マルトース)になります。
麦の発芽時に生成されます。
「乳糖(ラクトース)」
牛乳などに含まれ、ガラクトースとブドウ糖が結合すると乳糖(ラクトース)となります。
日本人は乳糖を分解する酵素が少ないため、下痢や膨満感を引き起こす乳糖不耐症に人が多いです。
「少糖類(オリゴ糖)」
大豆や味噌、玉ねぎ、にんにくなどに含まれ、単糖が3から10個結合してできたものをオリゴ糖と呼びます。
消化されず大腸まで届き整腸作用があります。
「多糖類」
グルコースが重合してできたものを多糖類と呼び、糖の結合が多いため消化吸収に時間がかかる。
でんぷん、デキストリン、グリコーゲンなどの種類がある。
「でんぷん(スターチ)」
多糖類の中でも代表的なものがでんぷんになります。
植物が糖を貯蔵する場合、この形となり、穀類、イモ類、豆類などに含まれます。
人が食べると口の中でマルトースに分解され、小腸にてグルコースに分解されます。
「グリコーゲン」
動物が糖を貯蔵する場合、この形となり、レバー、エビなどに多く含まれます。
人が食べると体内でグルコースまで分解され、血中を流れ、またグリコーゲンとして貯蔵される。
「デキストリン」
デキストリンはでんぷんが加水分解したものを指し、粉状化粧品の固形化や、エキスの顆粒化、粘度の調整、皮膚への吸着剤、として用いられます。