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鏑木清方展のこと

先ほど、東京国立近代美術館で、鏑木清方展の内覧会に行ってきた。

清方といえば、「東の清方、西の(上村)松園」と並び称された「美人画の名手」としてのイメージが浸透している。
私が彼に興味を持ち、書いてみたい、と思ったのも、それが大きな理由だった。

しかし、清方自身は「美人画」の枠に嵌め込まれるのは不本意だったらしい。
そして、今回の展覧会も、「美人画家」の枠を壊し、新たな清方ワールドを展開、紹介しようとしているように思えた。
キーワードは、「生活」「芝居」「卓上芸術」。
解説によれば、美人画に限らず、清方の作品は、生活や四季折々の描写なくして成り立たない。
例えば、数年前に話題になった〈築地明石町〉(看板にも使われている)も、舞台は清方自身の幼少時代の思い出に繋がる場所。女性の姿に目を奪われがちだが、背景にはうっすらと、幼い頃に目にした船が描きこまれている。
また、芝居は、母や祖母に連れられて幼いころから馴染んだもの。
(女形の美しさに感嘆したのが、美人画のルーツでは、との指摘もある)
そして、13才の時から志した「挿絵画家」の道は、展覧会に出す大型の作品だけではなく、個人の邸宅で手に取って楽しむ、小ぶりな「卓上芸術」への取り組みに繋がった。


後で、今一度、清方という画家について、調べ直しておきたい。

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