徒然読書日記~ロスジェネの逆襲
異動1日目。
これからのことも考え、確実に混む、1、2本は見送らざるを得ないであろうバスを避けて、徒歩で新しい職場へ。(新しい、と言っても、実際は「出戻り」だが)
覚悟はしていたが、ユニフォーム一式も抱えて10分以上歩くのは楽ではない。そうでなくとも自分がもっとサクサクと歩けないのがもどかしい。
・・・しかし、このような時間があったからこそか。
昼休みに、本を開いた時の喜びは大きかったし、作品世界へもぐんと入り込めた。
今日の本は、『ロスジェネの逆襲』。
前回、ホテルの再建に成功し、敵を鮮やかに返り討ちにするも、左遷人事を食らってしまった半沢直樹。
彼が出向先の子会社で、大鉈を振るう様が見ものだ。
芯がある、というのか、どこに行こうと彼は変わらない。仕事に真摯に向き合い、客のためにベストを尽くす。そして、人事や立場を盾に妨害したり、不正を押し通そうとする輩を許さない。たとえ、相手が親会社にあたる、銀行だったとしても。
流されること、諦めてしまうことは簡単だ。だが、捨てても大丈夫なことと、捨てたら何もかもが終わる、というタイプのこと、二つを図り違えないようにするのは難しい。
半沢は、それができるタイプ。そしてこのシリーズの敵役たちは、捨ててはいけないものを捨てて、それに気づかないか、開き直っているタイプが多い気がする。
だからこそ、折れない半沢に敵意を抱かずにいられず、何か仕掛けて足を引っ張る、いや潰しにかからずにはいられない。そして、その行動こそが、半沢の「倍返し」を誘発する・・・
「倍返し」はおっかないが、左遷されようが何だろうが、彼なりのポリシーを持ち続ける姿勢は好きだ。羨ましいとも思う。