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週刊ヴェルデ

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#フランス美術

モネの業~『モネ 睡蓮の時』内覧会

モネの業~『モネ 睡蓮の時』内覧会

国立西洋美術館の『モネ 睡蓮の時』の内覧会に行ってきた。
展示作品全てがモネ作品、という展覧会内容は、昨年の『モネ 連作の情景』以来だ。

が、今回は、連作の中でもモネの究極のモチーフを扱った『睡蓮』をメインに据え、睡蓮以外のモチーフを描いた作品もどこかで、『睡蓮』や大装飾画とのつながりを持っている。全てが、『睡蓮』のためにある、と言っても過言ではないと思う。

水辺の風景は、画業の初期からモネに

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気になる作品~「画家ボナール ピエールとマルト」

気になる作品~「画家ボナール ピエールとマルト」

今年の秋に公開予定の映画『画家ボナール ピエールとマルト』が、今週末からのフランス映画祭で先行上映されるらしい。
ピエール・ボナールはナビ派の画家で、浮世絵をはじめ日本美術が大好きで、その平面的な表現を積極的に取り入れた事から「日本かぶれのナビ」と仲間内でもあだ名されていた人物である。
ナビ派時代は、渋めの色調だったが、南フランスに移ってからは、赤や黄色、オレンジなど暖色系を多く用いた明るい画面へ

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シダネルとマルタン展内覧会

シダネルとマルタン展内覧会

午前中は、家を出るギリギリまでメトロポリタン美術館展の記事原稿の執筆。
そして午後は、SOMPO美術館の「シダネルとマルタン」展の内覧会へ。
振り返ってみても、強行軍だったように思う。
展覧会の内容も良かっただけに、万全の状態で作品と向き合えなかったのが、少し残念かもしれない。

以下、簡単に感想を。

・今回の主人公は、アンリ・シダネルとアンリ・マルタンという、19世紀後半から20世紀半ばにかけ

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