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週刊ヴェルデ

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#SOMPO美術館

「ヴェネツィア」を作った男カナレット~『カナレットとヴェネツィアの輝き』展内覧会から

「ヴェネツィア」を作った男カナレット~『カナレットとヴェネツィアの輝き』展内覧会から

SOMPO美術館の『カナレットとヴェネツィアの輝き』展の内覧会を取材。

カナレットは、本文執筆を手がけた『西洋絵画 風景をめぐる12か月』でも3枚ほどの作品について紹介した。

その時は、そこまで思い入れのある画家ではなかったが、今回の展覧会で彼の大きさを思い知った。
カナレットは、一言で言えば、今私たちが思い描く「ヴェネツィア」を作った男だった。

広い青空。
きらめく海の上に浮かぶ建物。

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もっと早く出会いたかった

もっと早く出会いたかった

「もっと早くこの画家(作品)に出会いたかったな」
先日、SOMPO美術館での『北欧の神秘』展の内覧会の会場を歩きながら、私は何度そう慨嘆したことだろう。
もっと早く、その存在を知っていたなら、本文執筆を手がけ、昨年発売された『西洋絵画 風景をめぐる12か月』にも入れただろうに、と。

確かに、ムンクをはじめ、ソールベリやガッレン=カッレラなど、北欧の画家の作品は何枚か入れていた。

ガッレン=カッ

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シダネルとマルタン展内覧会

シダネルとマルタン展内覧会

午前中は、家を出るギリギリまでメトロポリタン美術館展の記事原稿の執筆。
そして午後は、SOMPO美術館の「シダネルとマルタン」展の内覧会へ。
振り返ってみても、強行軍だったように思う。
展覧会の内容も良かっただけに、万全の状態で作品と向き合えなかったのが、少し残念かもしれない。

以下、簡単に感想を。

・今回の主人公は、アンリ・シダネルとアンリ・マルタンという、19世紀後半から20世紀半ばにかけ

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