新生児と父
この前、義姉に会った。
義姉には子供がいる。まだ2ヶ月の女の子。
私のこれまでの人生で、新生児を見るのは初めてだった。
厳密には新生児は生後1ヶ月までを指すので、新生児ではないけど、本物の新生児を見たことない私からしたら一緒である。
まだ生まれて2ヶ月なのに、
泣くし、掴むし、足はバタバタとさせる。
ちゃんと人間として存在していることが、不思議だった。
ふと、M-1 2022の3回戦で男性ブランコが
赤ちゃんをみて、「あらミニ人間やぁ〜」という場面があったことを思い出し、
初めて新生児を抱っこしながら
「ミニ人間だぁ〜〜」と言ってみた。
誰にも伝わっていなかった。
皆あまりお笑いには詳しくないようだ。
、、、さて。
なんと言っても、義姉夫婦が赤ちゃんを抱えながら、穏やかに、何度も名前を呼ぶ姿が、本当に微笑ましかった。
特に、これまでの関わりの中で私が持っていた義兄のイメージは、割とサッパリしている人(悪く言うとスカしてる)だったので、
赤ちゃんを大事に抱える義兄をみて、ちゃんとお父さんだ。優しいお父ちゃんだ。と思った。
2人とも、赤ちゃんと向き合う今を、噛み締めているようだった。
私の両親も、私が生まれたときはこんな感じだったんだろうか。
実は、私も結婚が近い。
少し前、結婚が決まったことを父に報告したとき、
「梓の小さい頃が思い出されるよ」と、母にぼそっと話していたらしい。
それを聞いたときは、
よくそんな25年以上も前のこと覚えているなと思ったけれど、
我が子を見つめる義姉・兄の眼差しを見たら、
そりゃ覚えているか、当たり前か、と思いなおした。
当然、自分が生まれたての頃、どんな風に父に接してもらえたか、なんて覚えていない。
だけど、すごく勝手だけど、義兄の姿を見ていたら、当時の父の姿が見えた気がした。