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【感想】ドラマ『海に眠るダイヤモンド』

『海に眠るダイヤモンド』全話見ました。
1話目から興味深く拝見していたのですが、物語は現代の東京と1950年代の端島で生きる人たちの姿を描きながら、ホストの玲央と 鷹羽鉱業の職員である鉄平、彼らの周りにいる人たちは皆、魅力的な人たちばかりであります。
当時の端島での活気さや炭鉱員たちの過酷な労働環境の対比、時代を越え風潮は変わっていくところの描写も見事なものでした。
『海に眠るダイヤモンド』において、物語のキーパーソンである現代に生きる謎の女性の‘‘いづみ’’の正体、そしてKingGnuの主題歌である「ねっこ」から窺える時計の秒針の音から本作は時間軸の描き方や過去と現在に至る座標軸での登場人物たちの情感に感動を覚えましたし、何よりも脚本家の野木さんの力量に圧巻されるものがありました。
端島での炭鉱の歴史や労働環境、島民たちとの家族ぐるみの暮らしなど、閉山・廃墟化に伴い産業遺産としての端島の文化的背景は濃密に描かれ人間ドラマとして着目すると面白いものがあります。
端島での過去と現代を交錯させて描く理由というのをこれまで色々と考えていました。
端島の歴史絵巻として単体として描く場合、物語の深みは増すだろうと推測できますが、島民の心理描写や背景描写の密度が高水準まで高まり複雑化する可能性があると感じました。
応じて『海に眠るダイヤモンド』の訴求力が高いのは、現代から過去へと向けられる解明であり、簡略化する為の脚本はやはり巧みであると改めて実感させられました。
『海に眠るダイヤモンド』を全話通しての総括として、端島と現代を繋ぐ壮大な物語より鉄平が愛した朝子への思いが明らかとなった瞬間は、号泣不可避でした。
鉄平が残した10冊の日記を持つ、いづみは玲央と共に長崎へ訪れることになります。
ラストは、朝子に思いを告げる鉄平の告白から、水色を好む朝子を思い水色の花瓶を作った彼の本気の愛に感動させられました。
『海に眠るダイヤモンド』は今年一番の美しいドラマであるとそう感じました。

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