人格を重んじ合え
大抵のことなら、他人のしていることを、とやかく言うものではない。
自分は自分だけのことをしていたらよいのだ。
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とげとげしい気分が一番いやだ。あたたかい円みのある人が一番好きだ。
人間はどこまでも共同生活をしてゆかねばならぬものであるから、あくまでも互いに打ち解けて、仲よく面白く暮らさねばならぬ。
最初から人を疑ってかかったり、人の心を試すような気持でいたりしてはならぬ。お互いに信用し合って、人格を重んじ合わねばならぬ。
世の中で、何が愉快だといって、気心の知れ合った、打ち解けた同士のまどいほど愉快なものはない。
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人格を重んぜよ。いかなる者に対しても、頭からこれを軽んじてかかるようなことではならぬ。人は、自己を傷つけられたと感ずる時ほど癪にさわるものはない。
だらから、くれぐれも人を傷つけるような言葉や態度をつつしまねばならぬ。
これは処世上もっとも大切なことである。
出口日出麿著、『信仰覚書』第八巻、「人格を重んじ合え」