決心ひとつ、心ひとつ
人間が生まれてから一生何をしたかわからず、また自分で、何のために生きとるのやらわからず、終わってしまうということほど不幸なことはないのであります。いわゆる酔生夢死というて、ただ飯食うて生活のために一生懸命はたらいて、一生何かに追い使われるような気分で過ごしてしまって、さて、何を知ったか、何を悟ったかというようなことになると、なんにも得たところがない。
世間につれ代につれて、風があっちへ吹けば向こうへ行き、波がこっちへ立てば、こっちへ打ち上げられるというようなことで、自分で何