春の七草と広島産蒸し牡蠣の毒出し八丁味噌󠄀鍋スープ
春の七草はそれぞれに独特の栄養と風味があり、他の食材と合わせることによってバランスのとれた食事を楽しめる。
今回は七草粥のあとに残った材料を使って、弱った胃腸の働きを整える八丁味噌󠄀のスッキリとした味わいの「毒出し八丁味噌󠄀鍋スープ」を作る。
〜材料について〜
せり(芹)
栄養: ビタミンC、カルシウム、鉄分を多く含む。
効能: 血流を良くし、冷え性やむくみの改善に役立つ。
特徴: 独特の香りがあり、爽やかな風味がスープのアクセントになる。
なずな(薺)
栄養: 食物繊維、カリウムが豊富。
効能: 胃腸を整え、便秘の改善やデトックス効果が期待される。
特徴: さっぱりとした風味があり、他の食材とも調和しやすい。
すずな(菘/かぶ)
栄養: ビタミンC、葉酸、食物繊維が豊富。
効能: 免疫力向上や疲労回復、整腸作用をサポート。
特徴: 根は甘味があり、葉はシャキシャキとした食感が楽しめる。
すずしろ(清白/大根)
栄養: 消化酵素であるジアスターゼが豊富で、ビタミンCも含む。
効能: 消化促進や胸やけの緩和に効果的。
特徴: 根はさっぱりとした甘味、葉は香り高く彩りとしても美しい。
〜牡蠣の効能〜
・牡蠣のエネルギー回復効果:牡蠣には豊富なビタミンB12が含まれており、疲労回復やエネルギー増強に効果がある。
・ 牡蠣の美容効果:コラーゲンや亜鉛が多く、美肌やヘアケアに効果がある。
・牡蠣と健康な心について:牡蠣にはDHAやEPAなどの良質な脂肪酸が含まれており、心臓の健康維持に効果がある。
〜八丁味噌󠄀の特徴と効能〜
愛知県岡崎市八丁町発祥の長期熟成された豆麹を使った豆味噌。
特徴と効能について
・赤褐色で色が濃く、適度な酸味、旨味、苦渋味といった独特な風味がある。
・糖分が少ないため、甘味が少なく、豆由来のコクがある。
・メラノイジンと呼ばれる褐色の色素を多く含み、抗酸化作用が強い。
・熟成期間が長いため、体をきれいにしてくれる物質が多く含まれている。
愛知県では「味噌かつ」「味噌おでん」「味噌煮込みうどん」として地元の人々に愛され、独特な風味は全国的に有名になっている。
〜八丁味噌󠄀鍋スープの作り方〜
分量(3人分)
・広島産蒸し牡蠣(冷凍)5個
冷凍でない場合は、塩水で洗って片栗粉をまぶして下準備
・大根、長ネギなど季節の野菜適量
・生姜(薄切り少々)
・にんにく(お好みで)
・だし汁3カップ(鰹節、昆布適量を水に入れて20分おく)
・八丁味噌50g(お好みで)
・ 春の七草(七草粥セットの残り材料)
・クコの実少々
・柚子少々
〜作り方〜
1.冷凍牡蠣は水洗いをする
2.大根、長ネギなど季節の野菜を洗って適当な大きさに切る
3鰹節、昆布などでだし汁をとっておく
4.土鍋にだし汁を入れ、大根など煮えにくい野菜から順に入れる
5.野菜が煮えてから、八丁味噌󠄀、生姜、にんにくを入れる
6.冷凍牡蠣を入れて中まで火を通すが煮すぎない
7.七草粥セットの残り材料を入れる
8.クコの実、柚子の細切りを彩りとして添える
薬味として大根おろし、もみじおろし、れんこんおろしなどを添え、スープのみいただく。
今回は春の七草粥セットの残り材料と冷凍庫にあった牡蠣を使って、「毒出し八丁味噌󠄀鍋スープ」にした。
〜味噌について〜
味噌󠄀には原料や色、味などにさまざまな種類がある。
〜原料による分類〜
・米味噌は大豆に米麹を加えて作った味噌󠄀
・麦味噌は大豆に麦麹を加えて作った味噌󠄀
・豆味噌は大豆のみを主原料とした味噌󠄀
・調合味噌󠄀は米麹と麦麹をブレンドして発酵させた味噌󠄀や、他の3種類に分類されない味噌󠄀などがある。
現在国内で生産されている8割が米味噌。
(麦味噌、豆味噌は5%、調合味噌󠄀は10%)
〜色による分類〜
・赤味噌、淡色系味噌󠄀、白味噌
〜味による分類〜
・甘味噌は塩分が少なく、麹を多く使用
・甘口味噌󠄀は甘いものもあれば甘じょっぱいものもあり、商品によって味わいはさまざま
・辛口味噌󠄀は塩味が強く、すっきりとした味わい
地域によってさまざまな味噌󠄀が生産される。
戦国時代の武将たちは戦陣食として味噌󠄀を携えていた。味噌󠄀は調味料であるとともに貴重なたんぱく源であった。
武田信玄の「信州味噌󠄀」
豊臣秀吉、徳川家康の「八丁味噌󠄀」
伊達政宗の「仙台味噌󠄀」などが有名。
・仙台味噌󠄀は伊達政宗が軍糧用として醸造の専門店を仙台に招聘し、造らせた赤色辛口味噌󠄀で、だし汁がいらないほどコクがあり、大豆の風味豊かである。
・信州味噌󠄀は長野県の名物で白味噌の代表格。
味噌󠄀の消費量も全国一位。
味噌󠄀は日本人の食生活を支えてきた伝統食。
基礎調味料の「さしすせそ」の「そ」にあたり、微生物の力で作り出される発酵食品である。
(全味工連HPより参照)
毒出しレシピの準備期、回復期などにも活用したい食材である。