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遠距離介護は突然にシーズン4 ①年明けの帰省
遠距離で末期癌の84歳父を介護中の56歳娘。
2025年度初めての帰省から、シーズン4に突入したことにします。
また局面も新たなステージに進んでしまっている気もします。
とにかく、年末年始も父は大丈夫で、弟達家族他いろんな人の面会もありつつ、私も自分の孫と過ごしたり正月明けスキーも出来たりと、常に電話連絡には備えていたが予定通りにスケジュールをこなすことが出来た。そして、連休明けにはまた誰もいない実家に戻り、父の面会に行った。
正月明けには、「みかんが足りないんじゃが。」と入院中の父から電話があり、叔母達に頼んだばかりだったのに、成人の日の連休明けに看護師さんから電話があり、「みかんも、もう食べられなくなって、病院の食事も全然手をつけられなくなってしまって‥。なんだったら食べられるか栄養士さんとも相談しているのですが、病院で用意できるものも限界がありまして。」との事。明日行く予定であることを伝えて、詳しくはまた直接お話しすることになった。なんだか、あまりいいニュースではないけど、基本的に下り坂なので全てを受け入れていかなければいけない。
何も考えないようにして、新幹線に乗り込む。
前回りんごを剥いてスライスしたら、それが美味しかったらしく、又りんごが食べたいとのリクエストがあった。
なので、一旦実家に戻り、郵便受けチェックなどしてからスーパーでリンゴを買って、剥いて薄めにスライスしてからフォークを添えてタッパーに入れた。
それを持って、改めて病院へ。
ナースステーションで、昨日電話をくれた看護師さんにご挨拶したら、リンゴ待ってらっしゃいますよ!との事。
「お父さん、来たよ!」と声をかける。うつらうつらしていたの起こし、電動ベッドを起こして、フォークに刺してリンゴを渡す。モグモグしているが飲み込むのが難しそう。あれ、お父さん、入れ歯せんでええん?
全然使って無かったらしく、存在そのもをを忘れていたらしい。しかも、渡しても、なかなか口にハマらない。よく見ると、裏返しになっている。ようやく、入れ歯をして、シャクシャクとリンゴを齧る。しばらく物を咀嚼していなかった模様。
3切れほど食べた。病院の食事で出るのは、缶詰の桃とかみかんとからしく、リンゴを齧って食べたかったとの事。願いが叶ってよかったね。🍎
この間はみかん🍊がブームだったけど、今はリンゴ🍎のようだ。
看護師さんに3切れ食べた事を伝えると、それはすごい!と褒めてくれた。
いや、どんだけ、何も食べれてないん、お父さん😭。
もう、病院の食事には全然手をつけず、食事を出すのをやめますとの事だった。
病状が進んで食事が取れない段階に来たようだった。
その後、院長先生と面会して話しを聞いたが、今の状態はかなり悪く、血液検査の値も良くないが、痛みがないのが幸いですとの事だった。
食べれるものがあれば何でも食べさせてあげて、お話しを出来るだけしてくださいとの事。覚悟していたものの、いよいよカウントダウンに入ってしまったのか。
うーん、厳しい。
気を取り直して、病室に戻り、父に何か食べたいるものあるかと聞くと、いや、何にもない。思い浮かばん。との事。そりゃ、そうだろう。もう食欲が全く湧かないらしい。カップ麺とか、穴子弁当とか、父が気に入ってみんなが持って来たものも、もう受け付けないらしい。握り寿司くらいの、小さくて一口で食べられるものなら、どう?と聞くと、それなら食べられるかもしれん。という。
よし、わかった!近くの回転寿司屋さんに行ってみる!と看護師さんに断って、駆けつけてみるとちょうど昼営業が終わったところだったので、スーパーの寿司コーナーに行ってみるとマグロのお寿司があったので、買って帰った。父に勧めると3貫食べた。看護師さんに報告すると、おー、それはすごい!とナースステーションが沸いた。こんな事で、看護師さんが喜んでくれるなんて、どんだけ食べなくて困らせてたんだろうか。いや、もう無理だからしょうがないんだけど。と寂しくなったり、心配してくれていた看護師さんに感謝したり。複雑な気持ち。
「面会は短めでお願いします。」という病院ルールを突然思い出して、今日のところは退却することにした。
お父さん、また明日ね。
家に着いたら、どっと疲れが出た。
続く