随想一夕「"俺流解析"皆様よりのご高覧に感謝を寄せて」
例えばこの画、速水御舟作 椿花瓶彩
凡ての花は満開にほころんでみせているが
御舟は何故、枝に蕾をつけなかったのだろう。
ご存知のように花の開花には花序という節理がある。
これも無限花序と有限花序に大別されていることは、ご生花に通じた御仁ならば分かりやすいだろう。
これらの開花摂理に基づくなら主軸茎頂のものから咲くのだが、画を観てもわかるように"枝"頂であることがわかる。
それも3種類の八重椿が活けられている。
このことから考えるならば、この画が描かれた季節は4月後半から5月前半がイメージできるだろう。
(八重椿の開花期は一般的に3月中旬から4月下旬にかけて)
有体に読み込むなら、最後の花が咲いている頃合いだろう。
今が盛りをここに終え最後の命と咲き競い、かたやわが世の春を謳歌する命ある蝶。ともに命(時間)には限りある。
と考えると御舟の『凝着姿勢とテーマ』が見えてきそうではないだろうか。
お陰様で多くの皆様のご高覧を頂戴した 随想一夕『美術作品・芸術作品、アートを前にした"素人"が最も感じやすいと思われるファクト』ですが、筆入れをしていなかった各画に"俺流解析"を加えました。
こんな鑑方もあるのかと笑い飛ばして頂ければ有難き幸せ。
世一
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