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大好きな実況者集団「〇〇の主役は我々だ!」が内部分裂した件から、組織マネジメントとオーナーシップについて考える

こんにちは、水無瀬あずさです。月末が近づいていますが、今月はいろいろあってライター業の締めは余裕っぽい。その分、来月は新しいお仕事が始まることになったので忙しくなりそうです。がんばるぞ!

さて昨日のことですが、朝コーヒーを入れようとティファールの瞬間湯沸かし器を沸かしていて、うっかり蒸気の上がったところに手を出してしまったために、左腕の手首やや上の部分をガッツリ火傷しました。ウッカリ!!こんなベタな火傷すごい久しぶりだったので、我ながらビックリ。少しずつ注意力散漫になっているなあ、年は取りたくないもんですね。

水ぶくれがなかなか収まらないので、ガーゼで止めて包帯をしているのですが、左手首に包帯を巻いている人って何とも微妙すぎる・・・などと居心地の悪さを感じている本日の私です。皆さん、ティファールの瞬間湯沸かし器がいくら優秀といえども、蒸気の上に手を出したらさすがに火傷をするので気を付けましょう。

余談はさておき今回は、ライター業の実績となる記事がアップされたという紹介に絡めて、私がかねてから好きで視聴していた実況者集団が内部分裂を起こしてしまった話について書いてみたいと思います。

9月ごろから界隈が俄かにざわついているのを見て、「どうなっちゃうの・・・?」とハラハラ見守っていた1ファンではありますが、今回はちょっと違った視点から、組織マネジメントとオーナーシップ(主体性)の在り方について私が感じたことをまとめました。騒動は今はもうすっかり(?)落ち着いたようですが、脱退したメンバー、残留したメンバーとも、今後は禍根もなく、楽しく配信を続けて欲しいものですね。ホントどうしてこうなった。ということで、最後までよろしくお付き合いください。


「〇〇の主役は我々だ!」とは

「○○の主役は我々だ!」(まるまるのしゅやくはわれわれだ!)とは、ニコニコ動画やYouTubeで主に活動している10人超のゲーム実況者組織でした(現在のメンバーは、2人?)。ニコニコ動画に会員制チャンネル「チャンネルの主役は我々だ!」が開設されており、多くのファンを抱える実況者集団として知られる組織です。マイクラを初め様々なゲームを実況したり、ときにゲームじゃなくて実写で登場し、騒動前にはまさかの地上波、文化放送で番組を持つなど、今後のさらなる活躍が期待されていました。

大好きなゲーム系Youtuberぴくとさん(@ぴくとはうす)が我々だメンバーと頻繁にコラボしていたので、3~4年前から名前は認識していたものの、私がYoutubeで彼らの動画を見始めたのはここ1年半ほど。実際に見てみると本当に面白くて、主要メンバーだった鬱先生、ゾムさん、ロボロさん、トントンさん、シャオロンさん、ショッピさん、チーノさん、エーミールさん、レパロウさん、コネシマさんらの絶妙な掛け合いが好きでした。しかも更新頻度が1日1本投稿という高さから、時間を見つけてはいろいろな動画を視聴してゲラゲラ笑わせていただきました。

「お嬢様上等」というシリーズが好きで。ほんっっっとうにくだらない話なんだけど、父の急逝とかあって心がどうしようもなく沈んだ時に、彼らの動画を見て、ゲラゲラ笑ったらちょっとスッキリしてね。あの時、すごく救われたんだあ。

我々だ!は、動画配信以外にマンガの監修などもしており、たとえば『異世界の主役は我々だ!』、『エンプレスエイジ〜闇社会の主役は我々だ!〜』、『我演義 〜乱世の主役は我々だ!〜』、『魔入りました!入間くん』の公式スピンオフ漫画である『魔界の主役は我々だ!』といった数多くの作品に関わっていました。『魔主役』は我が家でも集めていて、次男くん(中1)のお気に入り作品でした。

Youtube実況者でこれほど手広く活動している人も珍しく、そうやって彼らが裾野を広げて成長する姿を微笑ましく見守っていた私でした。

「我々だ」の内部分裂騒動

ことの発端は8月の末ごろ、「XでメンバーがIDやアイコンを突然変更した」という情報がどこからともなく目に入ったことでした。「メンバーがどうやら運営とうまくいっていないらしい」・・・なんとなく雰囲気で察していた矢先の9月1日、突如メンバーの鬱先生からお知らせがありました。

Youtubeチャンネル「一旦ここで」で明らかになったこととしては、元メンバーの9名(鬱先生・エーミールさん・シャオロンさん・ショッピさん・ゾムさん・チーノさん・トントンさん・レパロウさん・ロボロさん)が、現状では「我々だ」として活動を継続するのが難しく、運営側と協議を続けていることでした(この動画は非公開になっていて今は見れません)。

ファンはざわつき、私も大好きなグループ解散の危機かと冷や冷やしながら見守っていたのですが、その後「我々だ」の運営からは、「契約でちょっとトラブったけど、ちゃんと契約できるように動いているから心配しないでね」という旨のお知らせが入りました。なぁんだ、ちゃんと再契約に向けて動いているのね、解散じゃなくてヨカッター!

その後、9/19に運営から再度お知らせが入り、メンバーのうちグルッペンさん(創業者)、コネシマさんと契約が結べたこと、他のメンバーとは「契約内容やガイドラインに関するフィードバックをいただいており、現在修正を加えつつ引き続き協議を進めております」と書かれていました。アー良かった、これでもう安心だね!

と思っていたら、再び「一旦ここで」チャンネルに詳報が入りました。それがこちら(上の動画の数日後に公開されたもの)。

非常に簡単に言うと、交渉が決裂したので、今後は新しいグループ「まじめにヤバシティ」として活動しますとの報告でした。何でも、これまで「我々だ」で一緒にやってきた運営会社が別の会社に変わり、9月1日で新しく契約を締結しようとなったそうで。そのときに運営会社(鬱先生いわく「権利者」)側から、これまで「我々だ」で彼らが使ってきた画像やもろもろの権利(著作権)、あるいは今後彼らが別のチャンネルなどで活動する際に発生する権利を、すべて運営会社が持つという内容を提示されたというのです。活動にもすべて事前承認が必要だとのこと。「我々だ」チャンネル内の権利はともかく、他の活動も権利をよこせとは、なかなかにガチガチなマネジメント契約だなーって感じですね。

離脱メンバーのうち鬱先生・エーミールさん・シャオロンさん・ショッピさん・ゾムさん・トントンさんは「まじめにヤバシティ」(略称「マジヤバ」)という新グループで活動。チーノさんは、ちょっと疲れちゃったので不定期にマジヤバに参加しつつ、のんびり今後について考えるとのこと。そしてレパロウさんは「ヒョウ太郎」として個人で活動、ロボロさんは「最高コーラ(読み方はモリタカコーラ)」という名前のVTuberとなることが明らかになりました。モリタカって・・・。

「我々だ」のほうは、活動休止状態だったコネシマさんが10月に入り「我々だ」チャンネル内で復帰宣言。個人チャンネルを開設する旨のお知らせとともに、「正直寂しいけど、脱退した彼らを応援しているし、自分も我々だで頑張る」と発言していました。

これにて、「我々だ」グループがぱっくりと内部分裂してしまったというのが大筋の顛末でした。かなしい。

かなり経ってから運営からまたお知らせが入り、9名が脱退したこと、および連載中のマンガなどの扱いについての発表がありました。ファンが一斉に「報告が遅いんじゃクソが―!!」とキレていて、ほんそれと思いました。

ただ、離脱メンバーを含めた「我々だ」組織は活動の幅が広かったため、離脱前にすでに決定していたイベントの出演を巡って何かひと悶着あったようです。マイクラ実況のニャンTuber(?)であるクーさんが毎年企画している「マイクラ肝試し」は、マイクラ実況YoutuberおよびVtuberが参加する大型イベント。離脱前に参加が告知されていた鬱先生、シャオロンさん、エーミールさん、ショッピさん、ロボロさんの出演は実際どうなるのか、問い合わせが相次いだそうです。結論としては、「我々だではなく、個人として出演する」ということだったようですが、Xではクーさんに心無いコメントが相次いだようで、緊急にライブ配信をする事態になったみたいです。みんな冷静になろうぜ。

まあ確かに、「我々だ」のとき使っていたマイクラのスキンは権利者側のものだから、離脱してしまった今どうするのかって問題はあるんでしょうけど、それはそれとして。本人たちが出るって言ってるんだから、見守ればいいんじゃないのって感じですが。人気者って大変だなあ。

大揉めでしたが、メンバーはそれぞれスキンを用意してもらえたようで、楽しそうに肝試し企画に参加していました。ライブで見ていたけど面白かった!ちなみに鬱先生は、ぴくとさん、日常組のしにがみさん(動画内では「ひかる」)とともに、「はうつ」という名前で出演していました。

閉会式の時のマジヤバの動画も見たんですが、メンバーが「不安だったけどみんな温かくて嬉しかった」「本当に参加出来て良かった」「最高の思い出になった」と口々に言っていて、きっと表に出せない辛さや悲しさ、寂しさがあったんだろうなと思ったらやりきれない気持ちになりました。これからはもう笑顔で、大好きな配信を続けて欲しいなと思います。

結局、何が問題だったのか?

事の顛末を書いたらマジで長くなってしまったのですが、ずっと見守っていて、今回果たして何が問題だったのかなあというのを私なりに分析してみたいと思います。

メンバーが納得できない契約内容

最も問題なのは、契約内容が離脱メンバーにとっては納得いかないものだったことですかね。「我々だ」に関わる権利全部よこせってことですもんね。個人的なつながりも含めて、色々な人たちとコラボをしてきた彼らからすれば、到底納得できるものではなかったんでしょう。

運営側は、どのような意図でそういう条件を出してきたんですかね。何か理由があるなら言ってきても良さそうなので、対外的には言えないような理由だったということなのか。

経験上、人間お金とか権利で揉めたら、まあ関係性は元に戻りません。9月時点で鬱先生が「権利が~」って話をしたときに、きっともう元通りにはならないんだろうなと頭の隅では思っていたので、結果を見ると「まあそうだよね」って感じ。

というか今回の件では権利の話しかなかったけど、ぶっちゃけお金の問題でもあったんじゃないのかなと推測しています。離脱メンバーと残留メンバーで、契約に関して何らかの待遇の違いがあったんだろうなと。じゃなきゃ分裂なんてしないと思うんですよね。まあ想像の域を出ませんが・・・。

残留メンバーの低い稼働率

残留を表明したコネシマさんは初期メンバーなので、存在感は抜群。でも最近の投稿ではあまり参加していなかったので、体調不良なのかな?別の仕事で忙しいのかな?という感じでした。で、今回の騒動。

コネシマさんとしては、組織の危機ということで戻ってきたということなのでしょうが、私のように最近動画を見ていた勢からすると、「なんか急に降って湧いた感」が否めません。残留したのがこれまでずっと動画投稿をしていたメンバーだったら納得もできたんでしょうが、「ずっと居なかったのに、このタイミングで戻ってくるの?」みたいな、なんか釈然としない気持ちです。もちろんコネシマさんに悪意があるとは思っていませんが。

ファンの中には「マジヤバとコネシマさん、いつかまたコラボしてほしい」というような声も見られましたが、ぶっちゃけ今回のって内部分裂。ケンカ別れであって、コラボとか難しいんじゃないかなあと私は思うんですけどね。どうなんでしょう。

運営側の情報の出し方とタイミング

事の顛末を見ればお判りでしょうが、運営の情報の出し方がクソでした。タイミングもそうだし、出し方も。マジヤバが情報を出した後に後手後手に出していた感じが否めません。マネジメントする人が居なかったのかなあ。

そういう意味では、マジヤバメンバーの情報戦はなかなか見事だったと思います。先に情報を出して、しかもリアルタイムで公開することで記録にも残し、責任の所在は「我々だ」の運営にあるという筋書きをしっかり表明して見せた。これだけで、ファンは付いてくるだろうというのをよく理解しての行動だったと思います。

ぶっちゃけ、情報はマジヤバ側からしか詳細が出てきておらず、「我々だ」運営側からは主義主張も含めた情報が何も出てきていません。だから、「一旦ここで」で公表された契約に関する本当に正しいのかは、我々には判断のしようがない。ただ、この状況でどっちを信じるかといえば、あまりにも明白な話で。運営側も「実はこうだったんですよ!」と自分たちの言い分を表明していれば違ったのでしょうが、その辺がなんともお粗末だったと思いました。本来なら、双方の話を聞いて判断するべきことなんだけどね。

「我々だ」組織のオーナーシップに対する認識のズレ

ちょうどこの話が出ていた時にお仕事として携わっていた記事が、昨日公開されました。じゃじゃーん。

プロダクト開発において、マネージャーが居ない状態で責任やオーナーシップをどこに持っていくのか、というお話。ここでは、個々のメンバーそれぞれがオーナーシップを発揮することで成功したという事例の紹介でした。

私はこの記事を書いていて、「我々だ」問題には「オーナーシップがどこにあるのか」という認識のズレがあったんじゃないかなあと感じました。ここでいうオーナーシップとは、主体性というよりは主導権という意味にとったほうがいいかもしれない。運営側は、組織のオーナーシップは自分たちにあると思っていた。だから強力な権利を行使したかった。でもメンバー、そしてファンは、メンバー一人ひとりにこそオーナーシップがあると考えていた。そこの認識に決定的なズレがあったから、契約内容がなんか腑に落ちないものになって、最終的に決裂してしまったんじゃないのかと。

まあぶっちゃけ、「我々だ」ってメンバーのオーナーシップで成り立っているようなグループだったと思うので、そこが破綻するとすべてがダメになるよねって話で。運営側とメンバーで具体的にどのような交渉が行われたのかは謎ですが、ほんともうちょっと何とかならなかったのかなと残念でなりません。あの雰囲気が、好きだったんだけどなァ。

結び

あんなに好きだった「我々だ」チャンネルなのに、今では過去の動画を見たいとも思わなくなったし、面白かったはずの『魔界の主役は我々だ』を読む気にもならなくなってしまいました。かなしい。でも組織運営っていっても結局構成しているのは人間であって、人間同士のトラブルがあったら立ちいかなくなるのも道理だしね。結局、組織マネジメントのカギを握るのは情報戦ってことなのかなあ。

立ち上げて間もない「マジヤバ」、早々にYoutubeの銀盾を貰ったそうです。うーん強すぎる。今後も頑張って欲しいので、細々と応援していこうと思いました(無課金ユーザーとして)。

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