家族日記 | 長男の心に広がる空模様
我が家には宇宙人が二人ほどいます。
長男の太郎はやらかし星から地球に出向中です。
次男の次郎はおこもり星からやって来ました。
今日は太郎のお話です。
太郎のやらかしが発覚し、事情聴取していたときのこと。
お友だちに手が出てしまうというとこから思わぬ話が飛び出したのです。
以下:私(わ)太郎(太)
わ:手が出る理由とかってあるの?
太:自分の心のモヤを消すために。
わ:…モヤ?
太:そう、モヤ。
何だそれ。
周りからも聞いたことないぞ。
「何があっても手を出しちゃいかん」
「手を出したヤツが悪者になるんよ」
こんないつもの話は今日はやめよう。
とにかくモヤについて聞こう。
太郎の生まれて初めての告白にわたしの好奇心が疼き、モヤを掘り下げることにしました。
わ:そのモヤって色とかある?
太:うん。色あるよ。
わ:へー。たとえばどんな?
太:道徳と国語で苦手なことを聞かれたら黒。
冬の寒いときは赤。
算数の嫌いは青。
雨が降ってびしょ濡れになったら金。
わ:え、場面でそんなに変わるの?
太:そう、色はまだあるよ。
わ:カラフルで綺麗だねぇ…匂いはあるの?
太:あるよ。焦げた匂いとか。
わ:焦げた匂い?
太:目玉焼きの匂いもあるよ。
わ:美味しそうじゃん。
匂いあるってすごいね。
太:うん。
わ:それを消すために友だちに手が出ちゃうの?
太:…うん。
わ:それって消えるの?
太:モヤが薄くなるからやっちゃうの。
わ:そうかー。モヤはずっとあるの?
太:ううん、外に出るとモヤが出てくるの。
わ:え、家ではモヤは出ないの?
太:うん、出ないよ。外にいるときに出てくる。
わ:家にいる以外で消える方法はないの?
太:ごはんを食べると消えるよ。
ご、ごはん?
聞けば聞くほどモヤの実態は謎が深まります。
しかし迷いなくほぼ即答でどんどん話す太郎。
その話ぶりから、太郎はずっとモヤと付き合ってきたんだなと感じました。
わ:ごはん食べて消えるなら、給食食べると平気になるんだ?
太:うん、そう。
わ:でも学童いるときにトラブったりするじゃん?
太:ずっと外にいると疲れちゃうから。モヤが出やすくなるの。
わ:なーるほどねー。モヤを絵に描いてもらっても良い?
太:(描きながら)こんな感じ。
色鉛筆をとっかえひっかえしながら心のモヤを描いてくれました。
太郎曰く、モヤとして感じるのは自分の感情だけ。
人や物事に色は感じないのだとか。
その様子を見聞きして、太郎の言う「モヤ」は色がコロコロと変わる雲のような存在なのかな?と感じました。
別なタイミングでモヤをコラージュ画像で表現してもらったところ、使われ
ていたのは雲、太陽、雷、雨、鳥と空にいるもののオンパレード。
しかも太郎は天気アプリが大のお気に入り。
スマホを貸せば20分くらいずーーっと天気を追いかけています。
きっと太郎の心には空が広がっていて、ひとたび家の外に出れば、彼が感じたものがそのまま空に映るのでしょう。
モヤを晴らすために手が出るというのが親としては歯痒いのですが…今回は、話をしてくれたことに大きな意義を感じました。
小さい頃から明らかに多感で、見える見えないに限らず、信じられないほどたくさんのものに晒され生きている太郎。
彼の世界は謎だらけですが、また教えてもらいながら、彼らが地球でうまくやれる方法を模索していきます。
わ:この話、わたしのブログでみんなに話しても良い?
太:良いよ。
わ:なら父にも教えて良い?
太:え……あんまり詳しく話すのはイヤだな。
という訳で、夫(僧侶)にはさらっとしか伝えていないこの話。
みなさんに楽しんでいただけたら幸いです。
ちなみに、もうひとりの宇宙人・次郎は絶賛学校ストライキ中です。
その話はまた別の機会に。
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