【詩】時の書物
時の書物に記された
三つの林檎の前に来ると
さすがに足が止まってしまった
空気が薄い
吸っても鼻腔に圧力がかからず
肺に落ちていかない
三つの林檎は
過去現在未来の概念そのものであり
身体の腐った祖母と
酒乱の父と
初夜権で見知らぬ貴族に抱かれる
新婦の姉でもある
私は素通りし歴史を変えない
水もしたたる真っ白い豆腐がひどく焦った様子で煙草屋の角を曲がっていくのが見えた。醤油か猫にでも追いかけられているのだろう。今日はいい日になりそうだ。 ありがとうございます。貴方のサポートでなけなしの脳が新たな世界を紡いでくれることでしょう。恩に着ます。より刺激的な日々を貴方に。