東京路地紀行 33 港区六本木
港区六本木といえば、六本木ヒルズ、東京ミッドタウンのような職住近接の超高層タワービルあり、飲食店で下から上までぎっしり埋まっている雑居ビルありの東京でもトップクラスの繁華街。もう古いですがヒルズ族なんて言葉もはやって、コンクリートジャングルのような街のイメージで個人宅などなさそうなところではあります。
しかし、実は戦前から戦後の高度成長期までは個人住宅が多く建ち並ぶ街でした。そんな名残が路地的な空間で今も残されています。
その場所の一つは檜町公園の近く。檜町公園には大きな池があり、低い土地ですが、そこと六本木の尾根の境にあたるあたりに残っています。
夜の写真に続いては昼の姿も。
防犯看板もまだ残っています。
この崖を支えているのはガンタ積みと呼ばれる積み方の擁壁です。この擁壁をつくる際にどこかから煉瓦の廃材をもってきてコンクリートと一緒にして積み上げたものと思われます。
これらの写真にあるように急階段の上に古い家屋がまだ残っている路地があります。次の階段のほうへ移動してみます。
こちらのほうが建物は新しいようですが、それでも十分な年代物です。
そして3本目の階段へいってみます。
訪れたのは夏の日暮れ直後、日が沈んだ後の深い青と瓦屋根の青がマッチして照明のオレンジを引き立てています。
ほかの2本の階段に比べるとここは幅の狭い階段です。手すりの光沢ある金属パイプとの組み合わせでシャープな印象になります。
周りには東京ミッドタウンや低層ながらも高級なマンションに囲まれていますが、こうしてこの一角にこれらのレトロな木造住宅が残されているのは、大きなビルやマンションを建てるには土地の形状がよくないからかもしれません。
超高層ビル群が建つ前の六本木にはこのような個人住宅が多く建ち並んでいたのでしょう。そのころの町の風景を見てみたかったな。
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