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東京俳句紀行 その5 夏の句

今年(2024年)も早々に梅雨が明け、本格的に暑くて、湿気が高い夏がやってきました。
さて、夏を詠んだ句を紹介します。


猛暑にて 木陰で失礼 向日葵か
(もうしょにて こかげでしつれい ひまわりか)

季語:向日葵(夏)
7月上旬の写真ですが、この日はすでに最高気温が34度近くまで。
梅雨入りと宣言されないままにすでに盛夏のような暑さになった今年を象徴するような天候の日々が始まったころ。
夏の花である向日葵もこの暑さのもと、木陰で気持ちよさげに花開いていました。


入道雲 もくもく木魚の 音聞こえ?
(にゅうどうぐも もくもくもくぎょの おときこえ)

季語:入道雲(夏)
横浜の高台の上の寺院の墓地からの眺め。この日は6月下旬でしたが、空は梅雨の晴れ間というよりももう夏の空。もくもくと湧き起こる入道雲を見ているうちに木魚の音がしてきた気がしました(聞こえませんでしたが(^-^;)


熱帯夜 家守も外で 夕涼み
(ねったいや やもりもそとで ゆうすずみ)

季語:家守(夏)
梅雨といいながらも雨も降らず夜になっても気温は下がらず。普段は家を守ってくれている家守も今夜ばかりは外で涼を楽しんでいるようです。


青ガエル 線路跡で ケロケロケロ
(あおがえる せんろあとで けろけろけろ)

季語:青蛙(青ガエル)(夏)
ここはかつての東急目蒲線(現目黒線)の線路跡。線路が地下化されたことでいまは緑道公園として開放されています。その一隅にあるのがかつて目蒲線を走っていた通称青ガエル、または雨ガエルとよばれていた東急5000系車両をモチーフにした休憩所です。真夏は強い陽射しを避けるにはちょうど良い場所です。


パリ五輪 新競技は 麻雀か
(ぱりごりん しんきょうぎは まーじゃんか)

季語:パリ五輪(夏)
今回のフランス、パリでのオリンピックも期待した通りの金メダル、最後の逆転での金メダル、あ~惜しかったという勝負、などいろんな感動をくれた大会で悔しい場面もありながらも楽しかった印象の強い大会でした。
さて写真のこの場所を訪れたのはオリンピック開催前でしたが、ふと目についた雀荘の看板。三色旗に「フランス雀豪」!?
頭脳スポーツの麻雀も「maajyan」としてオリンピックデビュー、これもありではと。
ちなみに五輪が季語になるのかは不明ですが、夏の祭典なので。


山開き 駆け上るよ 富士登山
(やまびらき かけのぼるよ ふじとざん)

季語:登山(夏)
小さい子どもは元気いっぱいに富士塚の階段を駆け上っていきます。そのあとのついていく大人たちは疲れからか心なしか背中が丸まっているような。
この場所は東京都文京区本駒込にある駒込富士神社。本殿のある丘が富士塚と言われています。御茶ノ水駅から駒込駅までを街歩きしているときのほぼ最終行程にさしかかり、この急な階段は大人たちにはこたえたようです。


猛暑にて 首を垂れる 向日葵や
(もうしょにて こうべをたれる ひまわりや)

季語:向日葵(夏)
最初の一句の続編。数日後に訪れると大きな向日葵は頭を垂れていました。連日続くこの暑さには夏の花と言われる私でももうついていけません、と訴えるように。

以上、夏の7句でした。



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