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東京夜探偵 7 ハロウィンを待つ恵比寿
今夜はハロウィンの夜だが、ちょうど先週の夜、ハロウィンを待つ恵比寿の夜を歩いてきた。とはいえまだ早かったのか、ハロウィン飾りは少なく、普通の週末の飲み屋街だった。
そんななかで見かけたハロウィン風景。
古めのマンションの1階、Miss SAIGONの看板が出ているベトナム料理店の軒先に吊り下げられているかぼちゃ色のお化け。かぼちゃの愛嬌とは違って恐い表情。
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近くの居酒屋の入口に置かれているサトちゃんは身体の地色がオレンジ色なので紛らわしいけれども、ハロウィンのコスチュームで夜のバイト中。夜も冷えてきての呼び込みは大変そう。頑張ってね!
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恵比寿の街中にはいっていくとちょっとよさげな横丁路地。居酒屋ではなく、BARが似合う横丁だ。
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こちらはフォントがかわいらしい酒場、居酒屋。ガラス張りの店内をみると満員。それもほとんどは若者。女性同士で飲んでいる姿も見える。酒場という名前とは異なり、若い人、初めての人にも敷居が低い店のようだ。
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恵比寿は駅をはさんで、また駒沢通りをはさんで居酒屋、飲食店が広がっている。ここもそのひとつ。赤いネオン、黄色い看板が誘う。
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こちらの餃子店は新しそう。この大きな赤ちょうちんには心が惹かれる。今度は食べに入ってみようかとも思う。
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そしてそんな飲食店が並び、人の通りも多い街のど真ん中に構えているのが恵比寿神社。そこだけちょっとした森になっていて、静けさが漂っている。夜になると、コンクリートの灰色の鳥居、玉垣が無機質感を一層増してくる。
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横にまわると気づくのだが、この神社は楕円形、または陸上トラックの形をした境内になって、まわりを玉垣で囲われている。どうしてこんな形につくられているのだろうか。
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そんな不思議な形の境内に引き寄せられるようになかに足を踏み入れてみる。そこで目に留まったのが「恵比寿神社 御由緒」と「御祭神」。祭られている神々の名をみるとこれはなかなか由緒ある面々がそろっている。国常立神、伊邪那伎(イザナギ)、伊邪那美(イザナミ)・・・そしてもう一柱、蛭児(ヒルコ)
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記紀(古事記、日本書紀)によれば、蛭児はイザナギとイザナミの第1子として生まれたが、不具の子であったゆえに葦の舟に乗せられ、流されてしまったと書かれている。そしてそのまま日本神話の世界には出てくることはなかったのだが。
一説によるとエビス神として戻ってきていたらしい。エビス(えびす)は外来の神。海の彼方に流され、成人した神として戻ってきたということなのだろうか?
いずれにしろ、えびす神として蛭児(ヒルコ)が祭られているのが恵比寿神社。その特異な形状の境内と合わせて私の頭の中に強くインプットされた。
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さあ、謎は謎のままながら今夜はこの辺で。
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