東京探索記 33 庭園美術館(港区白金)
港区白金に建つ庭園美術館。かつては宮家の朝香宮鳩彦の邸宅。今は整備されて東京都管理の美術館となっています。どんな作品が展示されているのか、というよりも建物、その内装がもはや美術館そのもの。
9月から11月にかけてその建物の公開がされています。今回はその「建物公開2024 あかり、ともるとき」に行ってきました。
庭園美術館を訪れるのは35年ぶりくらいの久しぶり。
このシンプルな外見はいつ見てもあっぱれ感動です。
玄関で出迎えてくれるのが、翼のある女性像。ルネ・ラリックの制作になる立体的な半透明ガラスの像です。きっと女神像だろうと思うのですが、立体感といい、細部まで美しいです。
玄関ホールの足元にはイスラム寺院を思わせる花をあしらったと思われるタイル地のモザイク。
邸内へ足を踏み入れるとまずはリビング。見どころありすぎなので、「あかり、ともるとき」にしたがって照明に着目しました。
こちらは食堂。上を見るとフルーツ柄の照明。
一人で、二人で、グループで、などいろいろな人たちが訪れていましたが、みんな見事な装飾の連続で驚き、感心、そして楽しそう。もちろん私もです。
この部屋の照明はシャンデリアまでにはいきませんが、豪華な印象。
金平糖を思わせる照明。天井にあかりが反射しています。暗くなってくると色が濃くなり、くっきりと映えてくるのではと思います。
ステンドグラスがはめ込まれたような笠。モノトーン基調の邸内ではパッと映えます。
昭和初期につくられたとは思えない球体の集合体。宇宙からやって来た生命体のような…魅せられました。
シンプルながらもアールデコの時代を感じさせる照明。
照明のデザインもよいですが、天井のデザインも素敵ですね。
照明に続いては窓や灯り取り。こちらも意匠が凝ったものが多くて魅せられました。これは植物の模様でしょうか。
まん丸の窓枠、その模様もいいですね。ガラスも昔はやったレトロな柄ですね。
青海波の柄のスチームヒーター目隠し(だと思う)とサンルーム。チェスの盤面のような床に差し込む秋の午後の日差し。
こちらはまた別のサンルーム。こちらもチェスの盤面柄の床。フランス帰りの朝香宮が好んだのだろうか。冬の晴れた日の午後、チェアに腰かけ、ご夫婦で語り合うこともあったのだろう。
サンルームに残されている蛇口。シンプルだけにこれまた素敵。
暖炉の目隠し。青海波、ところどころ海鳥みたいのが羽を広げている。
こちらも花が真ん中にあしらわれている。
ビデオを観る人。
「建物公開2024 あかり、ともるとき」は、11月10日(日)まで開催されています。