東京路地紀行 61 足立区千住
大門(おおもん)通り。
大門といえば、吉原大門が知られているかもしれない。千住の大門通りも同じでこの通りの北側に広がる千住柳町はかつて千住遊郭があった場所。その入口にあったのが大門というわけだ。もちろん、遊郭は戦後、赤線に指定され昭和32年の売春防止法の施行とともに遊郭は廃止され、普通の町になり、そして大門もなくなった。
柳町にはいくらか遊郭時代を感じさせる建物は残っているが、ほぼ普通の住宅地になり、当時の面影は薄くなっている。その代わりに昔の姿をとどめているのは、遊郭の外に位置した大門通り。その通り沿いにある鮨屋。
まだ遊郭があったころから商売しているのではないかと想像させる年季のはいった看板と店舗。グニャと曲がった看板に趣を感じたりして。
こんなにボロボロ(失礼!)だけど、営業はしているよう。でも入るのはちょっと勇気がいる。近くまで寄ると珍しい琺瑯看板が。保存状態がよいみたいできれい。
冷たい雨が降り出してきた。レトロな鮨屋と大門通りを後にして次の路地へ行こう。