細川政元う乳おでん
室町時代、将軍を追放して比叡山延暦寺を焼き討ちした人物は?
と問うと歴史に興味ある人ならば、織田信長と答える人が多いかと思いますが、信長より一世紀程前に既にそれを行った人物。
信長が第六天魔王ならば、その人物は天狗。
半将軍と呼ばれた権力者でありながら、突飛な行動を取る奇人を妄想しながら、魔法のように美味しいおでん(誇大広告)を料理した記録。
蒟蒻 1つ
薩摩揚 好きなだけ
厚揚げ 1枚
ジャガイモ 2個
大根 20センチ
卵 3個
出汁パック 1個
醤油 50cc
味醂 50cc
豆乳 100cc
辛子 お好みで
文正元年(1466)に誕生した聡明丸が後の細川政元。
父親は細川勝元。応仁の乱で東軍総大将だった人物。母方の養祖父は山名宗全、こちらは西軍の総大将という複雑さ。
応仁の乱最中に父親が死亡。聡明丸は八歳。
「この子がいれば、細川家は安泰だ」と父は言い残した。
名前の通りに聡明な子だったから。
ところが父の死後、細川家の内紛で家臣により四ヶ月幽閉。安泰とはいかなかった。
それでも家督相続後、元服して将軍、足利義政から一字頂いて政元と名乗り、管領に就任すると政治と軍事に大活躍。父の見込み通りに聡明で有能。
畠山氏や六角氏といった他大名達を抑えて幕府を主導。
戦國のきっかけとなったと言われる事件を起こす。
明応の政変。
明応二年(1493)畠山義豊征伐に十代将軍足利義材が河内國(大阪府)に出陣中、政元は日野富子や伊勢貞宗らと組んでクーデター。足利義澄を十一代将軍に据えて実権掌握。これにて半将軍と呼ばれる実力者になる。
これが冒頭に挙げた将軍追放。下剋上の走り。つまり実力が物言う戦國時代は政元が始めたようなもの。
追放された義材が北陸で亡命政権を作り、比叡山延暦寺が味方すると、焼き討ちを決行。伽藍全焼。
後に信長が行った比叡山焼き討ちは実はなかったとか、小規模だったと言われるのとは段違いにドイヒー。
ここまで書くと相当な切れ者政治家ですが、政元が本当にやりたかったのは政治ではなく魔法。
修験道にのめり込み、本気で空飛ぶ秘法を習得しようとしていた。
奇行も目立ち、突然、呪文めいた経典を唱える。
戰を放棄して奥州に修行に行くと宣言。
実際に度々、職務を放り出して修行の旅に出ようとして、将軍自らが引き留めに来たことも。
将軍の烏帽子親になったというのに、自身が烏帽子を被ることを拒否して、式典をすっぽかす等々。
今と常識が違うのでわかりにくいが、当時は貴族から庶民まで僧侶以外は烏帽子を被るのが当たり前。例えるならズボンを履かずに人前に出るようなもの。
社会不適合者?
もっとも肖像画では烏帽子は被っていないが冠を被っているので、もしかしたら烏帽子云々は口実で本当は将軍を軽視していたという見方も出来る。
或いは式典という金ばかりかかって意味がないことを嫌ったのかもしれない。何しろ朝廷の式典にも金を出し渋ったようですから。
当時の貴族の日記には、政元の屋敷に怪鳥が出現とか、上空に首が浮いていたとか常識では考えられない現象が記されている。
政元は鞍馬寺に籠って修行。鞍馬と言えば義経が天狗に兵法を學んだと言われる所。政元も天狗に憧れたが、鞍馬寺の本尊は魔王尊と言われる。
本当に魔王に帰依して魔法を習得してしまったのかもしれない。
政元自身が宙に浮いてみせたとも言われる。自在に飛行するまであと一歩か?
細川政元が常識外れだったことがもう一つ。
修験道は女人禁制だとして女性を一切、近付けず。
子供を作って家系を繋げるのも大名の役割というのに、自分が魔法使いになることを優先。
四十歳まで童貞でいると魔法が使えるようになるとか以前、そんな冗談を何処かで聞いた氣がするが、それを実践?
但し、政元は男色家だったらしいので、まったく色欲と無縁だったとは言えない。
当然、跡継ぎがいないので養子を迎えた。
関白九条家から迎えた澄之、細川分家から迎えた澄元、他の分家から高國。
これが更なる混乱を招く。
後継候補が三人もいると当然、揉める。
特に澄之は細川家以外の出身ということから一門からも反発の聲。
細川家出身の澄元に跡目を継がせようと考えていたようですが、そうなると澄之に付いていた家臣達は梯子を外された格好になる。
永正四年(1507)
入浴中或いは行水中に澄之付きの家臣、香西元長らが放った刺客により政元は斬り殺された。享年は四十二歳。四十過ぎまで童貞だったので魔法は使えるようになっていたのか?でも殺されたということは魔法で逃れることは出来なかった?
これが永正の錯乱と呼ばれる事件。
政元の死後、三人の養子達による細川宗家の座を巡る争いは二十年近く続くことになった。
豆乳で醤油の尖った風がなくなり、まろやかな風味。汁にまでタンパク質が含まれる。正に栄養食。
お好みで辛子を付けたが、これもいい。
下茹でして柔らかい大根にも味が染み沁み。食物繊維もたっぷり。
おでんにはやはり卵は欠かせない。
こんにゃくは腸内を洗浄してくれる。
ジャガイモから出た澱粉で微かなとろみ。
地球には人間以外の知性を持った存在がいると私は確信しています。
人によって、それを神とか魔とか呼ぶ。或いは異星人とか異次元人なのかもしれない。
魔王尊の下で修行していた政元はそうした存在と接触を持ったのではないか。そして不思議な力と勝ち抜く運を与えられた。
しかし禍々しい存在との接触とか契約には最終的に血の贖いが求められる。政元の最後はそれを示しているように思われてしまう。
信長以前に、それ以上に凄まじいことを行った天狗になろうとした権力者、細川政元を妄想しながら、細川政元う乳おでんをご馳走様でした。
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