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枝豆麻婆茄杉原千畝

茄子を多く頂いたので、今年は麻婆茄子をよく作った。
肉食を控えているので粒状大豆肉を使うことが多いのですが、加工品ではなく元々の豆を使って料理しながら、日本のシンドラーと呼ばれる人物の虚実を妄想した記録。


材料(写真ブレブレ)

茄子    3本
枝豆    好きなだけ
玉葱    1/4
豆板醤   小匙1
醤油    大匙2
黒摺り胡麻 適量
胡麻油   適量
味噌    小匙1
蜂蜜    小匙半分
酢     小匙1
片栗粉   大匙1
水     200㎖+大匙1

昭和十九年(1940)の夏、リトアニアの日本領事館に多数のユダヤ人が詰めかけた。
彼等が求めていたのは、日本を経由して第三國に出國するために必要な日本の通過ヴィザ。
シベリア鉄道でロシア横断、ウラジオストックから日本に渡航。其処からアメリカや南米諸国に行くのにヴィザが必要。
ドイツのポーランド侵攻により第二次世界大戦が始まっていてポーランドから逃れてきたユダヤ人が多かった。


茹でた枝豆を鞘から出し、切った茄子を水にさらす。

杉原は当然のこととして2139枚のヴィザを発行。
これを得たユダヤ人はリトアニア出国、無事に日本を通過して南北アメリカ大陸等へ逃れた。杉原が発行したヴィザによって救われた人命は6000人に上ると言われる。つまりヴィザを得た人の家族や親族も含めると、そうなるということか?
リトアニア領事館閉鎖後はチェコスロヴァキア領事館やルーマニア公使館勤務。戦争終結後はソ連により拘束。昭和二十二年(1947)に帰国。
外務省退官。
昭和四十三年(1968)イスラエル大使館の参事官ニシュリが杉原に電話。
彼は杉原からヴィザを発給された一人。命の恩人をようやく探し当てたということ。
翌年、杉原はイスラエルに招待されて、ユダヤ人を救った日本人ということで勲章を授与される。
昭和六十年(1985)イスラエル政府から「諸國民の中の正義の人賞」を贈られ、翌年に杉原千畝は八十六年の生涯を閉じた。


大蒜と玉葱を微塵切り。

以上が出来るだけ客観的に記した杉原千畝の略歴。
数年前に映画化やドラマ化もされて、一躍有名になった人物ですが、映画やドラマはあくまでも虚構であって、かなり盛られている。
面白くするための脚色と割り切って観るのはいいけれど、そのまま事実と受け取るのは如何なことかと思うことが幾つかある。
まず多くの人達はユダヤ人達はナチスの迫害から逃れるためにヴィザを求めたと思っているが、彼等はナチス同様ソ連も恐れていた。
共産主義は基本的に宗教を認めない。リトアニアがソ連に併合されれば、共産化した國に居ては、彼等のユダヤ教も禁じられるかもしれない。
実際にリトアニアはソ連に併合。そのために日本領事館も閉鎖。杉原もそのためにリトアニアを去ることとなった。


大蒜と玉葱を胡麻油で炒める。

日本政府はヴィザ発給を認めない方針だったが、杉原はその命令に背いてヴィザを発給し続けた。と思っている人が多いが、これもフィクション。
そもそも政府が認めていなければ、いくら領事がヴィザを発給した所で無効。
水戸黄門の印籠ではないのですから、幾ら非公認のヴィザを見せても入國は認めず、強制送還することも可能だった筈。
そうなっていないということは、日本政府がヴィザ発給を認めていたということ。
当時の外務大臣、松岡洋右は
「最終目的國の入國許可を得ていない者には通過ヴィザを発給するな」と通達。
つまりユダヤ人全員に発給するなとは言っていない。
「ユダヤ人の中には切羽つまっている者も多く、日本領事館の閉鎖も近づいているので最終目的國の許可がまだ出ていない者にも便宜上、発給するがウラジオストックでも手続きが済んでいなければ、日本行きの船に乗せないように外務省で取り計らって欲しい」と杉原は意見具申。
時間がないのでヴィザを出すが、最終的に入國させるかどうかは政府で判断してくれということ。


茄子投入。

全人種平等に扱うというのが日本政府の方針。
何しろ国際連盟に人種差別禁止を提言したのですから。
政府は同盟国ドイツに氣を使ってユダヤ人迫害を見逃そうとしたが、氣骨ある信念の人、杉原千畝はそれに逆らってまで人道上の配慮をしたというのは当たらないように思われる。

枝豆、調味料等を投入して煮る。

戦後、杉原は外務省をクビになったと思っている人もいるかもしれませんが、それも違う。
依願退職している。
日本は敗戰國。外交権もなくなったのでGHQから人員整理命令。
多くの公務員に退職勧奨があったのだろうと思われ、杉原もそれに応じて依願退職したのではないか。退職後は商社やNHKに勤務。公職追放された訳でもなく、それなりの生活は維持していたでしょう。


水溶き片栗粉でとろみを付ける。

日本政府はユダヤ人を積極的に保護しろとは言っていないにしても、日本通過は黙認というのが規定路線だったのかもしれない。
同盟國ドイツや不可侵条約を結んでいるソ連に氣を使ったとすれば、そういう解釈も成り立つ。
左巻きな人は日本は人種差別に加担しようとした惡い國で、それに逆らってまで人道上の配慮をした杉原千畝は素晴らしいと考えているかもしれませんが、明らかな誤り。


枝豆麻婆茄杉原千畝

酢と蜂蜜を少量混ぜたことで辛みがまろやかになるだけではなく、酸味、甘味、辛味が絡み合った玄妙な味わいになった。
枝豆の食感、茄子の柔らかさもよい。
玉葱で血液サラサラ効果も期待出来る。枝豆からタンパク質、茄子からナスニン、胡麻からゴマグリナン等の抗酸化物質も頂ける。

「当然のことをしたまでです」
と杉原は後年、インタビューに答えている。
この意味合いも
人間として当然のことをしたというよりも、國家に仕える公僕として政府の方針に従うという当然のことをしたと解釈すべき。

私は杉原千畝を貶めるつもりはまったくありません。
杉原が発給したヴィザで命を救われた人がいたのは事実ですが、政府の方針に逆らってまで信念を貫いたというのは違うのではないかと思っています。
イスラエル政府から贈られた勲章や賞も杉原個人に贈られたというよりも、杉原が日本政府を代表して受け取ったと考えた方がいいかもしれない。
そんな妄想をしながら、枝豆麻婆茄杉原千畝をご馳走様でした。

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