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鯵(フライ)サンド
福岡県内の彼方此方で目にした食べ物、というか名前があった。
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九州では今、アジフライが熱いのか?
他にも一軒、アジフライをプッシュしている店の前を通った。
しかし、どの時も食事直後だったり、時間がなかったりで味わえず。
それなら自分で作るしかないでしょ。ということで関東に戻ってからアジフライを自作しつつ、鯵を使った料理が頻繁に登場した昭和のドラマを妄想した記録。
脳内にSHOGUNが歌った主題歌『男たちのメロディー』が流れる。
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鯵 5尾
卵 1個
米粉 適量
粒状大豆肉 適量
塩 適量
胡椒 適量
キャベツ 好きなだけ
ライ麦パン 好きなだけ
ウスターソース お好みで
マヨネーズ お好みで
「運が悪けりゃ死ぬだけさ、死ぬだけさ」ということで、
昭和五十四年(1979)に日本テレビ系列で全20話が放送されたドラマが『俺たちは天使だ!』
沖雅也主演で麻生探偵事務所の面々が様々な依頼をこなしながら一攫千金を夢見るアクションとコメディー満載のドラマ。
沖が演じたのはCAPこと麻生雅人。他の探偵達は多岐川裕美演じるYUKOこと藤波悠子。渡辺篤演じるNAVIこと島岡到。柴田恭兵演じるDARTSこと入江省三。神田正輝演じるJUNこと芹沢準。
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元々は新選組をドラマ化する筈だったのですが、番組の放送枠が日曜夜8時。つまり裏番組が大河ドラマなので時代劇ではあかんやろということで急遽、現代劇に変更。探偵モノに。
企画の岡田普吉を始め、スタッフの多くは『太陽にほえろ!』を作った人達。
そのため沖だけではなく、下川辰平や小野寺昭等、共通する出演者。
『太陽にほえろ!』で演じたスコッチ刑事とは異なり、『俺たちは天使だ!』では沖雅也は明るく、少しキザな二枚目半なCAPを好演。
麻生雅人というキャラは沖自身の素に近く、本人も気に入っていた。自身の遺影には麻生雅人の写真を使って欲しいと遺書にも記されていた。
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内容はほぼ毎回、依頼をこなしても情にほだされて報酬を貰えなかったり、悪党のアブク銭を頂こうとしても警察に証拠として押収されたりで、実質タダ働きになってしまう展開。
「まったくVSOPなんだから」とYUKOが言う場面がありました。
首を傾げる面々に説明。
「Very Special One Pattern」
ラストも毎回、
「俺たちは天使だ!」とCAP達が言う。これもVSOP?
スタッフも出演者達も皆、楽しんで作っている雰囲気が画面から伝わってくるドラマでした。
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CAPとYUKOは探偵事務所専属ですが、報酬が貰えないことが常態化していたのでNAVIは自動車整備工、DARTSはディスコの黒服、JUNはテレビ局で雑用とそれぞれ別の仕事を持っていた。麻生探偵事務所は報酬が出た時だけの歩合制?
年中、金欠なようですが心は決して貧しくない風があった。
何故かCAPの愛車はシボレーカマロ、事務所もマンションの一室。身なりもパリッとしている。まあドラマですから。
料理が得意と言っているJUNがよく作っていたのが、鯵の干物をコンロの直火で焼いてパンに挟んだ鯵サンド。
アジフライを見て、それを思い出したという次第。
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キャベツの千切りを敷いて、その上にアジフライを乗せる。これでご飯を頂いた後、残りを翌日のランチにする。
ゲストも豪華で浅野温子、橋爪功、石橋蓮司等々。石橋蓮司演じる悪役がCAPのブーメラン乱発に逃げ惑うシーンを今でも覚えています。
最終回、大金を手にした麻生探偵事務所の面々はそれぞれの夢に向かって旅立って行きました。
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共通するスタッフ、キャストが多い『太陽にほえろ!』とは違い、明るく楽しいドラマでした。
残念なのは昭和五十八年(1983)に起こった沖雅也の自殺をどうしても思い出してしまうこと。
明るく楽しんで撮影していた『俺たちは天使だ!』の頃とは異なり、その頃は様々なことに疲れていたのかもしれません。
老いて醜くなるのを嫌悪していたとも言われます。31歳という若いままの姿を人々の記憶に遺したかったのでしょう。
私は老いても美を感じさせる人はいると思うし、若いだけが美しさとは思わないので理解は出来ません。
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アジフライを挟んだライ麦パンをオーブントースターで焼き目を付けて完成。
鯵からは良質なタンパク質だけではなく、カリウムや鉄分、亜鉛が摂取出来る。キャベツからビタミンCや食物繊維。
程よく焼いたライ麦パンは硬さと柔らかさが共存。今屋のハンバーガーには及ばないけれど、まあまあか。
このドラマでDARTSを演じた柴田恭兵の代表作である『あぶ刑事』シリーズの最新作『帰ってきたあぶない刑事』が間もなく公開。
前作で定年退職したため、今回は刑事ではなく探偵として戻って来るとか。
刑事からDARTSの頃に帰って来た?
昭和50年代、テレビは面白かった。今だとコンプライアンスがどうとか言われて、思い切ったことが出来ないのでドラマもバラエティーも魅力を感じない。
ちょっとしたことでもクレームを付けられるのではないかと、社会全体が顔色を窺い、萎縮気味な風があるのではないだろうか。
社会全体が余裕がなくなっている氣がする。ドラマやフィクションを割り切って楽しめる風が失われている。
最近、昭和から令和にタイムスリップした人物が主役の『不適切にも程がある』というドラマが人気だと聞く。
福岡の家族や友人も「昭和世代にはたまらない面白さ」と語っていた。
私はテレビを所有していないので視聴出来ませんが、今よりも大らかだった昭和を懐かしむ人、平成生まれでも昭和に憧れる人も出て来たということなのだろうか。
勿論、昭和がすべてよかった訳ではなく、それなりの問題もあった。それでもその頃の大らかさや余裕を思い出してもいいのではないだろうか。
ドラマから始まり、昭和50年代までも妄想しながら、鯵(フライ)サンドをご馳走様でした。