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青椒油揚原爆の父?

基本的にここでは日本史上の人物や出来事について妄想しています。
今回は日本に関係があるかもしれないアメリカ人について青椒肉絲をベジタリアン向けにアレンジして料理しながら妄想した記録。


材料

油揚げ      1枚
ピーマン     2個
筍        小1個
大蒜       1欠け
生姜       1欠け
出汁醤油     大匙2
片栗粉      大匙1
オイスターソース 大匙3
醤油       大匙1
胡椒       少々

クリストファー・ノーラン監督の最新作『オッペンハイマー』
原爆の父と呼ばれた物理学者の栄光と苦悩を描いた3時間の大作。
日本が被爆国であるということに配慮してか、なかなか日本では公開されませんでしたが、アカデミー賞7部門受賞ということもあってか、ついに日本公開。
ノーラン監督、独特のセンスがあり、過去の作品でも夢の中の夢の中の夢という題材を扱った『インセプション』や時間の逆行を描いた『テネット』等がありますが、本作品では時間軸がバラバラにされ、それらが同時進行していき、やがて繋がっていく。


細長く切った油揚げに出汁醤油と片栗粉を混ぜて暫く置く。

J・ローバート・オッペンハイマーが大学生だった頃から原爆開発に成功するまでの物語。密室で行われているオッペンハイマーへの聴聞会。ストローズという人物の視点から見た出来事や公聴会。これら三つの時間軸が進行。
説明らしいものもなく、何が起こっているのか推測しながら観賞しなければならず、頭フル回転のため長い映画ですが退屈する暇なし。


大蒜と生姜を摺り下ろす。

複数のヨーロッパの大学で理論物理学を学んだオッペンハイマー、米国に帰国後、大学で教鞭。
エネルギッシュでリーダーシップにも優れた物理学者だったことから、第二次世界大戦が勃発すると、マンハッタン計画即ち原爆開発プロジェクトのリーダーを軍から任され、ニューメキシコ州に研究に専念させるためと機密漏洩を防ぐために有刺鉄線で囲んだ町を建設。優秀な科学者達を家族ごと移住させて計画推進。
その中には後に水爆の父と呼ばれるテラーも。これが第一の時間軸。


筍を細切り。

戦後、唯一の核兵器保有国となった米国でしたが米ソ冷戦の最中、ソ連が原爆実験に成功。これは誰かが情報を漏らしたからではないか。そのスパイ容疑がオッペンハイマーにかかり、密室で事情を聞いている。これが第二の時間軸。
オッペンハイマーの恋人であり、結婚後も不倫関係にあった女性が共産党員で、オッペンハイマー自身も党員ではなかったが、その集まりに出席したことがあることからの疑惑。


ピーマンも細切り。

戦後、1947年に原子力委員会の委員長となったストロースはオッペンハイマーやアインシュタインを招聘。しかしスパイ疑惑を掛けられているオッペンハイマーを何故、招いたのかを聴聞会で問われる。その事情やオッペンハイマーとの関わりが聴聞会と共にモノクロ映像で流れる。これが第三の時間軸。
靴商人から政治家に成り上がった野心家のストロースを演じているのはロバート・ダウニー・Jr.
ピンとこなかったけど、よく思い出してみるとアイアンマン。正義の味方ではなく如何にも小悪党なオジサン。


油揚げを炒める。

流石に大作映画というべきか、洋画をあまり観ない私でも名前と顔を知っている俳優が他にも。ジョシュ・ハートネットとかマット・デイモンとか。
主演のギリアン・マーフィは知りませんでしたが、過去のノーラン作品にも出演。

出演者も豪華ですが、映像もよく出来ている。しかもノーラン監督は極力CGを使わない。
過去にも撮影のため本当にトウモロコシ畑を作ったり、廃工場を爆破。
この映画でも本当に核爆発を起こした?と真偽不明な噂まで存在。


筍とピーマンを投入。

この映画への批判として被曝の惨状が描かれていないという声がありましたが、私の感想ではナンセンス。
この映画はオッペンハイマーとストロースの視点から描かれる物語であり、彼等は原爆の被害など見ていません。基本的に彼等が見た物を映像化しているので見ていない物は映しようがない。この時代にテレビはありませんから間接的に見ることすら不可能。
オッペンハイマーがラジオで原爆が投下されたことを聴く場面がありますが、これが限界というべき。
原爆投下により終戦が早まると歓喜に沸く聴衆を前に演説する場面で、オッペンハイマーは原爆の被害を幻視。あくまでもソフトな映像ですが、これも現実にそれを見ていないから。


オイスターソース、胡椒、醤油を投入。

比喩的にギリシャ神話のプロメテウスが語られる。神界から火を盗んで人間に与えたことを咎められ、岩に鎖で繋がれ永遠の責め苦を受けるプロメテウス。
核の炎を人類に齎したオッペンハイマーをプロメテウスになぞらえている。
大戦中、ドイツが原爆開発をリード。ユダヤ人のオッペンハイマーは何としてでもドイツよりも早く原爆を作らねばならないと開発を主導。
ドイツが降伏した後、原爆が日本に投下され甚大な被害が出たことを苦悩。戦後は核開発に慎重な姿勢。核というものを国際的な機関の管理下に置くべきと主張。水爆開発にも反対。こうした態度が核開発を出世のために利用したかったストロース達の反感を買った。それがスパイ容疑を掛けられることに繋がった。


炒め合わせていく。

見応えある大作映画でしたが、アメリカの近現代史をもっとよく知っていればより理解も進み、楽しめた。
トルーマン大統領や後に大統領となる人物も名前だけ登場。
「被害者が恨むのは原爆を作った君ではなく、投下を命じた私だ」とトルーマン。それでも要請を断るオッペンハイマーを「泣き虫」と罵る。
このようにオッペンハイマーとはエネルギッシュな反面、苦悩する時には徹底的に悩む。
原爆実験の前も連鎖反応を氣にしてなかなか踏み切れず。つまり核爆発が起こったら、大氣中の酸素がすべて燃焼という仮説。
そうなると実戦投入前に実験で地球上の生物はすべて酸欠で滅亡という可能性?
他にも近しい関係の者の衝撃的な死に激しく動揺。という具合に決してオッペンハイマーを英雄としては描いていません。


青椒油揚原爆の父?

当たり前かもしれませんが、油揚げの方が肉よりも味の染み込みがよい。
出汁醤油の下味とオイスターソースの甘味、醤油の塩味が絡み合い、胡椒のスパイシーさがアクセント。
筍のシャキシャキ感とピーマンのパリッと感、油揚げの柔らかさと様々な食感も楽しめる。
タンパク質は油揚げからだけではなく筍からも。
食物繊維も筍とピーマンからと栄養も十分。

実験が成功して、ロスアラモスからトラックに乗せられて運び出される原爆をオッペンハイマーが見送る場面で考えた。

ここからは映画の感想から離れて常識の時空が歪み始めます。
ロスアラモスから何処に持って行かれたのか?というか、そもそもそれが広島とか長崎まで本当に運ばれたのか?
アインシュタインが言っていました。
「原爆を飛行機で運ぶことは不可能だ」
実験では塔の上に設置した爆弾を地上で爆発。
日本で爆発した原爆も飛行機で投下されたのではないかもしれない。
原爆地上起爆説のことです。詳しくはこちら。↓

広島と長崎を壊滅させた原爆がオッペンハイマーが開発した物ではなく、仁科機関が地上で爆発させた物だったとしたら、オッペンハイマーよ、あなたが苦悩することではなかった。
というのはあくまでも私の妄想です。

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