ええじゃなイカ団子
台湾のイカ団子が美味しいと聞いた。
美味しいと聞けば、やはり作りたくなる。ということで自作しながら、現代の事象にも通じる、幕末に巻き起こった民衆運動を妄想した記録。
ヤリイカ 2杯
絹ごし豆腐 1/4丁
玉葱 1/4
片栗粉 大匙2
米粉 大匙1
生姜 半欠け
醤油 大匙1
江戸時代も押し詰まった慶應二年(1867)の夏、三河御油宿或いは尾張で伊勢神宮の御札が空から降って来たというのが、ことの始まり。
比較的富裕な家に降ってきたという御札を見せて欲しいと周辺の人々が集まってくる。目出度いことだからと主人は集まった人々に酒食を振舞った。
同じような事例が日本各地で起こり、伊勢神宮だけではなく他の神社の御札や仏像、生首が降った所もあったとか。
只で飲み食い出来るとなると、やはりそれを求めるのは人情。
次第にエスカレート。男は女装、女は男装して踊りながら押し掛けるとか、練り歩くという風になっていく。
押し掛けられた方も暴れられるよりはと、酒や食事を出して穏便に済ませる。金持ち喧嘩せずとはこういうことか。
この騒動、江戸や京都という都市部だけではなく農村でも起こった。
原因については諸説あるが、江戸時代ほぼ60年毎に起こっていたお陰参りの発展形?という話もある。
お陰参りとは伊勢神宮の参拝ブームで、普段は移動が制限されていた女子供や奉公人でも伊勢神宮参拝という目的があれば、旅行が許された現象。いわばガス抜き?旅先でも宿や食事を提供してくれることがあり、旅費なしでも旅行可能。
伊勢神宮という共通のワードがあるので、そうかもしれない。
明治になってからジャーナリストの福地桜痴や首相になった大隈重信も原因がよくわからないと言っていた。
『ええじゃないか』という呼称が定着したのは昭和六年(1931)で発生当時は雀踊りとかチョイトサ踊りなどと呼ばれたこともあったという。
江戸を北限として備後とか備中、四国は阿波辺りにまで広がったということに、この騒動の裏がある気がする。
中央の政治活動とはあまり関係なかった東北では起こっていない。また倒幕勢力だった長州、尊皇派が強い土佐、薩摩がある九州でも事例がない。
つまり、幕府の支配体制を揺るがそうとする勢力が民衆を扇動?
政局の中心だった京都でもええじゃないか騒動は起こり、京都奉行所は十一月十三日付けで乱舞を止めるようにという通達を市中に発布している。
この二日後に起こったのが龍馬暗殺。
騒ぎに乗じて暗殺遂行するために民衆を扇動?というのは穿ち過ぎか。
結果として、暗殺実行犯は騒動に紛れて闇に消えたという見方をする人もいる。
開国以来、日本の金銀は海外に流出。不平等条約による貿易不均衡で急激なインフレで庶民の生活は困窮。そうした社会不安と閉塞感がちょっとした扇動で火が点いた。
そうした集団ヒステリーは時々、起こります。オイルショック時、関西の主婦がトイレットペーパーがなくなるらしいと言ったのがきっかけとなり、買い占め騒動。
銀行が潰れるらしいと誰かが与太話したのを真に受けた人々が払い戻しの列を作った取付騒ぎ。
ええじゃないかというのもそれに近かったのではないか。
薩摩や長州という反体制勢力はそれを利用したか、自ら扇動して騒動を作り出したか。
「ええじゃないか」と言って踊り狂った民衆。その歌詞には
「儂が蛸なら、お前も蛸。吸い付いてもええじゃないか」という卑猥なものがある。
あからさまに性器の呼称を盛り込んだものもある。気になるのが掛け声の中に「チョイトサ」とあること。
これは長州と土佐を示している?何等かの符牒?
「長州のぼて世直り、ええじゃないか」という歌詞もある。これはかなり露骨。長州が上洛して政権を取ると言っているようなもの。
こうした状況証拠を並べていくと、やはり長州とか土佐が騒動を作り出した若しくはちょっとした民衆の騒動を更に煽って大きくした。そうすることで秩序を乱して、裏で秘密の会合とか工作。
龍馬暗殺もそれに乗じた行動?
岩倉具視が記している記録によると、ええじゃないか騒動は同年十二月九日に王政復古の大号令が出ると終息したとなっている。
これも怪しい。朝廷を担いだ方が天下を取ったので、もう騒動は必要ないということか。
社会不安や閉塞感から集団ヒステリーが生まれ或いは生み出され、その陰で為政者や革命勢力が何かを進める。そういう事例は最近もありました。
コ▢ナ茶番デミックですよ。
何の効果もない『増す苦』を他人にまで強要。効果があるか定かでない(というより私個人は有毒と思っている)『輪苦珍』の接種を推し進めた。
その裏で緊急事態条項とかLGBT法案だとか国や国民を破壊し得ることが進められてきた。
ワクワクしたら集団免疫が出来るとか言っていた人がいましたが、6回も7回も打って、いつそれは出来るんですか?
黙ってろという猿轡の役割しか果たさない『マ〇ク』してても感染したとか言っている人がいるが、奇妙なこと。
集団ヒステリーという点ではええじゃないかと変わりないというより、もっと悪い。
噛み締めると広がるイカの風味。生姜と玉葱の甘辛さがよく合う。醤油味が付いているので、何も付けずにこのまま頂ける。
イカのタウリン、玉葱のアリシンと栄養成分一杯。豆腐でタンパク質も頂けて、ふんわりと柔らかい。
世直しを求める民衆の願いの発露とも、秩序の破壊を目論んだ革命勢力の扇動とも受け取れる『ええじゃないか』
現代にも通じるというよりも現代の集団ヒステリーの方がまだひどい。
ええじゃないかは精々、半年にも満たずに終息したが、現代の茶番は三年経ってもまだ完全には終わっていない。
日本人というのは人が行く方についていく風がある。自分で判断するより大勢が行っている方についた方が無難と無意識に思うのだろう。
誰かの尻馬に乗るのではなく、自分で主体的に判断出来る人が増えて欲しいと願いながら、ええじゃなイカ団子をご馳走様でした。