2024年新入社員研修レポート!〜研修って実はこんなことしてます!
皆様、新年度の始まりをいかがお過ごしでしょうか。新しい環境に張り切っていると疲れていることに気づけないことがあります。今年はとびとびの方もいらっしゃるかと思いますが、ゴールデンウイークで小休止できますので、どうぞご自愛くださいね。
さて、今回は、弊社で実施しました「新入社員研修」のレポートをお届けいたします。
ここnoteで何度も取り上げております新人育成ですが、今や多くの企業様が「組織づくりの新常識」との認識を持ち、積極的に取り組んでおられます。
一言で「育成」といいましても、最初の1年、最低でも3年間に渡る取り組みが必要と考えておりますし、必要な領域も様々ございます。
そのような中において、一般的にもっともイメージしやすいのが研修、とりわけ「新入社員研修」は、多くの企業様も実施している育成第一歩と言えるものです。
そこで今回は、先日弊社で実施いたしました4日間に渡る新入社員研修の詳細なレポートをお送りさせていただきます。
新入社員研修での具体的な内容とその効果、新入社員さんの率直な感想などを交え、「新入社員研修」の本当の意義と、取り組みを次に繋げることの大切さとは。リアルな現状をお届けできればと思います。
1日目〜社会人の基本~導入編~ビジネスマナー研修
初日は対面式での研修になります。
過去エントリ「最新版!アフターコロナの新卒事情」
でもお伝えしている通り、アフターコロナの新卒さんには、「あえて」の対面研修をセッティングしました。
内容は以下の通り。
「社会人としての心構えと日常的に使う所作を学ぶ」
① 相手に快く受け入れてもらえる第一印象を学ぶ ~挨拶・身だしなみ~
② 正しい言葉の使い方:社会人としての基本用語を学ぶ
③ 訪問・来客時の接遇を学ぶ:席次・名刺交換
④ 時間を守る重要性・公私のけじめについて学ぶ
ご覧の通り、いかにも社会人初日!という項目になっております。
社会人としてのマインドセットから挨拶など、中には「これをわざわざ研修で行う必要があるのかな」とお感じになる方もいるかもしれません。では、実際に研修を受けた新卒さんの感想を見てみましょう。
いかがでしょうか。
参加者すべての人が「とても役立つ、役立つ」と答えております。このレポートは企業様に提出するものなので、少々割り引いて考えなければいけませんが(笑)それでも素晴らしい効果があったと言えるのではないでしょうか。
それでは、具体的にどのようなところが役に立つと感じたのか、を一部抜粋して見てみましょう。
感想を見てみると、「イチから教わった」ことこそが、役に立つと感じていることがわかります。社会人になれば自然と身に付くものだとお考えの方も、最初は右も左もわからず、見よう見まねで学んだのだと思います。
不安を感じながら、これでいいのかな?と恐る恐る始めるよりも、わからないことを最初に教わった方ことで安心できた、との声が多数ありました。
そして、この表を見ていただければわかる通り、「特に印象に残った、ためになった項目」は、なんと名刺交換なのですね。
これはまさに「対面研修」ならではの、「人」と直接対峙してこそ、最大限に効果を発揮できる項目とも言えるのではないでしょうか。
名刺交換は、別に特別な能力が必要なことでも、難しいことでもありません。要するに「やり方」さえ覚えれば誰でもできることです。
しかし、その「やり方」を教わったことこそ、一番役に立ったと感じているということ。
やはり、「自然と覚えましょう」「そのうちできるから」と現場に放り出すのではなく、しっかりと「やり方」を教わる方が良いのです。やり方さえ知っていれば、名刺交換など恐れることはありません。何より安心感が違います。「不安を払拭する」ことこそ、この研修の大きな目的ですし、その目的はしっかりと達成されているなと感じます。
2日目〜社会人の基本~基礎編~ビジネスマナー研修
ここからはオンライン研修となります。引き続きビジネスマナーと社会人としての基礎を学ぶ研修になります。
「社会人として必要なビジネスマナーの基本を学ぶ」
① 敬語、謙譲語、丁寧語を学ぶ
② 電話応対の基本を学ぶ
③ 報・連・相の基本を学ぶ
④ コミュニケーションゲームを通じて相互理解するために必要なことを学ぶ
⑤ コンセンサスゲームを通じて集団で物事を決める時に大事なことを学ぶ
内容としては、主に言葉を使うビジネスマナー、相互理解の大切さと集団における意思決定について学んでいきます。
コンセンサスゲームとは、与えられた課題に対して意見のすり合せをしていき、グループ内での合意形成を目指すものです。
この「課題」には、明確な正解はありません。違う意見を持つもの同士が話し合い、意見を交換し、集団で意志を決定していく「過程」こそに意味があります。
言うまでもなく、会社の仕事とは、他人と一緒に進めていくものです。このワークを通じて、集団での意思決定のプロセスを学んでいきます。
では、2日目の研修で新卒さんはどのように感じたのでしょうか。
こちらもほぼすべての参加者が役立ちそうだと答えております。では感想を見てみましょう。
寄せられた感想の特徴としては、
「会話、主に電話対応」「コミュニケーション」について今後役に立つと感じた方が多い印象です。
「電話対応」、これまた社会人の基礎的業務ですし、単に電話で話すだけで一体なにを研修する必要があるのだ、と感じる方も多いかもしれません。
しかし、
過去エントリ「最新版!アフターコロナの新卒事情」
などでも取り上げたように、実は「電話で話をする」ということは、現代の若者にとって苦手意識を持ちやすい業務なのです。
いわゆるZ世代は、生まれた時から電子機器に囲まれ、インターネットの利用が当たり前の環境で育っております。
皆様は普段、電話でお話をしますでしょうか?もちろん、業務でのやり取りは今でも電話を使う機会も多いはずです。しかし、メールの普及に伴い、昔よりは大幅に電話することが減っているはずです。
ましてや友人知人との連絡に、電話を使いますでしょうか。相手がよほどの年長者でない限り、LINEやSNSのダイレクトメッセージなどで連絡を取り合っているのではないでしょうか。
そう、今の若者は、昔に比べてずっと「電話で話をする」という機会が少ないまま、新入社員となっているのですね。
出るまで相手が誰かもわからない、咄嗟に敬語で話をしなければならない、頭を瞬時に切り替えなければならない…
私たち旧世代の人間からすれば(笑)「当たり前」なこれらの電話対応、彼らにとってはちっとも「当たり前ではないこと」が、これだけあるのです。
不安に感じている人も多く、それゆえ研修でしっかりと、何度も練習できたことに「今後に活かせる」と、安心感を持っていただけたのだと感じます。
そして、コンセンサスゲームでの意思決定プロセス研修も、しっかりと刺さっているようです。学生時代は気の合う仲間とだけ仲良くしていられましたが、会社はそうはいかない場所です。相手を尊重しつつ自分の意見を伝えるという話し合いの基本を学んでいただけたのではないでしょうか。
3日目〜社会人の基本~応用編~問題対応力研修
研修も3日目、折返し地点です。ここからは若手社員に求められる対応力を学んでいきます。案件の処理や問題解決といった、「仕事」に必要な基礎的な力を養っていきましょう。
内容は以下の通りです。
「自立した若手社員となるために問題に直面した時にどのように対応すればいいのかを学ぶ」
① インバスケット演習を通して、問題に直面した時の対応方法を学ぶ
② 相互アドバイスを通して、強みと弱みを把握する
③ 強みと弱みを踏まえて、行動指針を作成する
この研修では、実践形式で行う「インバスケット演習」を行いました。インバスケット演習とは、制限時間の中で架空の人物の立場に立ち、案件処理を行っていくビジネスゲームです。
また、最後に行動指針作成をし、新卒社員としての自分の目標を設定していただきました。案件処理など、新入社員には難しい面もあるやもしれないこの研修、彼らはどのように受け止めたのでしょうか。
こちらも参加者ほとんど全ての方が、今後に役に立つ研修と感じていただけたようです。では、具体的な感想を見ていきましょう。
いかがでしょうか。皆さん様々な学びを得ていただけたようです。
キーワードとしては、「実践的」「対応の仕方」「自己理解」といったところでしょうか。やはりここでも多くの方が「やり方を知ることができて良かった」との感想を寄せていただきました。
研修はOJTで、現場で覚えていきましょう、というのももちろん有効ですが、その「現場の前」に、こういった考え方、物事の進め方をインプットすることで、より効果的な育成が期待できます。
4日目〜ストレスマネジメント&対人スキル向上研修
さて、いよいよ最終日、新入社員研修の総仕上げです。若手社員として求められる人材になるために必要なスキルをインプットしていきます。社会人として身につけるべき、より実践的かつ、業務に直結する内容となります。
内容は以下の通りです。
「社会人として必要な主体性向上のために必要とされる考え方と対人スキルについて学ぶ」
① ストレスマネジメントの手法を学ぶ
② 相手を尊重して自己主張をするアサーティブコミュニケーションを学ぶ
③ ソーシャルスタイル理論を学ぶ
④ ソーシャルスタイル理論をビジネス交渉に応用する
⑤ ビジネス演習を通して理解を深める
この日に学ぶ「ストレスマネジメント」「アサーティブコミュニケーション」は、
過去エントリ「ピカピカの新入社員、一人前の人材に育てよう!(前編『最初の第一歩』)」
「若手社員こそ必要な「巻き込み力」ってナニ?」
でも取り上げております「社会人基礎力」
①「前に踏み出す力」の能力要素—「主体性」「働きかけ力」「 実行力」
②「考え抜く力」の能力要素—「課題発見力」「計画力」「創造力」
③「チームで働く力」の能力要素—「発信力」「傾聴力」「柔軟性」「情況把握力」「規律性」「ストレスコントロール力」
この中の「チームで働く力」を養う研修です。
すべての社会人が身につけるべきこの「社会人基礎力」新人のうちにインプットしていきましょう。
そして、こちらも過去エントリ
「「部下」としてどう接する!?上司タイプで使い分ける!コミュニケーション術」で取り上げております
「ソーシャルスタイル理論」は、簡易ながらも的確に人のタイプを分類でき、実践的な「使える」タイプ分類法です。わずか4種類にも関わらず、的確かつ簡易に分類することができ、覚えればすぐに活用することができます。
これらのスキルを身につけ、求められる新卒社員へと成長していきましょう。
では彼らはこの日をどのように受け止めたのでしょうか。
こちらも役立つとの意見が大多数を占めました。感想を見てみましょう。
ストレスとの付き合い方を学んでいただけているようですね。それと、最終日ということもあり、この研修内容を仕事に生かしていきたいという前向きな気持ちが表れているようにも感じます。研修を通してマインドセットがしっかりと成されているということでしょう。
では次に、こちらの感想も見てみましょう。
こちらもほとんどの方が役立つと回答。今回の研修は無事、新卒社員さんのお役に立つことができ、とても安心しました(笑)
では、具体的な感想を見てみましょう。
ソーシャルスタイル理論を理解し、さらにそれを仕事に生かしていきたいと感じていただけたようです。
ソーシャルスタイル理論は他者を理解することで円滑にコミュニケーションを取るものですが、自分自身の理解にも役立てるものです。行動や思考のクセを把握し、仕事に生かしたいと感じていただければと思います。
全体総括
最後に、この4日間(オンラインのみの受講者は3日間)の研修を終えた感想がこちらです。
皆さんとても真剣に取り組んでいただき、多くの学びがあったと感じていただけたのであれば、これ以上嬉しいことはありません。
今後に生かしていきたいという意志も感じられます。研修は、「受けたらオワリ」ではなく、ここから始まる社会人人生の始まりです。新入社員の皆様がそのことをしっかり理解されていることを大変嬉しく思いました。
研修を終えて
いかがでしたでしょうか。いわゆる「新入社員研修」と一言に申しましても、その具体的内容と受講者の受け止め方が、詳細に語られることはあまり無いのではないか、と考え、リアルな声をレポートいたしました。
もちろん、各企業様には、新入社員ひとりひとりの詳しいフィードバック資料を作成し、提出もさせていただきましたが、「ソーシャルスタイル理論」で判明した、個人のソーシャルスタイルタイプとそのタイプへの関わり方についてもフィードバックさせていただいております。
今後、彼ら新卒さんと仕事を進め、育成を続けていく際には、ぜひこの「ソーシャルスタイルタイプ」を活用していただければ幸いです。
そして、最後の感想にもありますように、研修は「今後に生かす」ために受けるものです。
以前の「「組織づくりは育成から」時代は今、変わりつつあります!」
でもお伝えしておりますが、育成とは、研修をたくさん受けさせることはではありません。
今回の新入社員研修では、3日目にそれぞれが行動指針を作成しております。この行動指針に基づいてしっかりと成長できたのか、達成できたこと足りなかったことは何なのか、どこかで「振り返り」を取り入れることで、初めて今回の新卒研修が生きてきます。
そして何より、今後も継続的な振り返りとインプット、行動指針の作成を続け、半年、1年…と、育成に取り組んでいただければ、新入社員はより大きく成長していくことでしょう。
「研修」といっても具体的に何をするのか、どのような効果があるのか、そして何より育成の大切さをご理解いただければ幸いです。
入社半年後フォローアップ研修&新卒2年目に向けた行動指針策定研修のお知らせ
まとめでもお伝えした通り、研修は、その時間に学ぶことが目的ではありません。その後の業務に生かし、インプットと振り返りを繰り返して、より大きく育成していくためのひとつのエレメントに過ぎません。
本当に大切なのは、半年後、1年後と振り返り、行動指針の達成度合いを確認し、新たなスキルをインプットし、次の行動指針を策定し…というサイクルで、育成を続けていくこと。
弊社ではすでに半年後、1年後の振り返り研修をご案内しております。
10月には「入社半年後フォローアップ研修」
そして来年3月には、「新卒2面目に向けた行動指針策定研修」
それぞれ実施予定です。
継続的な見守りを取り入れ、新人さんを大きく成長させていきましょう!
組織の未来は新人さんが作ります!育成は組織作りのスタートライン!人材も組織も大きく育てていきましょう!Tenmaruは、新人育成を強力にサポートいたします!