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沢山抱えていたい

念願のカネコアヤノの弾き語りライブに行ったのに、ライブの最中に眠ってしまった。ライブで寝てしまうなんて初めての体験。

(仕事で疲れてたのもあったのか、)あの空間が心地良くて、あたたかくて、襲ってくる睡魔に負けてしまった。

襲ってくる睡眠欲と寝てはいけないという葛藤。
なんだか学生時代の授業中を思い出した。

曲中は起きたり寝落ちたりを繰り返していたのだけれども、途中の2曲は完全に寝落ちて聴き逃してしまった。次からは前日も休みを取ろう、と思った次第である。

先月、友人の卒アルを取りに母校へ赴いた。
生憎私のゼミの教授は離席していたが、プロジェクトでお世話になった教授には会うことができた。

私が憧れ続けている広告業界で働いていた経験のある教授。私の奥底に眠っていた能力を見出して、文章を書くきっかけをくださった教授です。

ひょんなことから広告業界に勤めている友人の話になった。そこから私の"憧れ"は"憧れ"のままでは留めておけず、つい先日その友人に声をかけて会うことになった。

私は23年間ずっと、自己肯定感の低さが故になんでも自分が満足する前に途中で進路を変える諦めグセが付いている。誰も知らない未知の領域まで考えることがお決まりで(それもまた悪い方向に)、このままでいたら悪い方向に物事が進んでしまう、と考える癖もずっとある。

大学1年生の時、入学してすぐオープンキャンパスのスタッフ募集があった。私はそれに魅せられて母校を選んだと言っても過言ではない。応募して、オンラインで面接があると返信が来て、こんな未熟で何も持っていない私が受かるなんて到底考えられない、そんな考えがよぎって私は面接を辞退した。その後スタッフに与えられるTシャツを着ている人たちを見ては、あの時受けておけば、なんて後悔した。

大学2年生のゼミ選択。
私はやりたいことがなかったし、特別学びたいこともなかったから、とにかく楽しめるゼミに入ろうと思ったけれど人気のゼミに成績も優秀でない私が受かるわけ無い、なんて思って倍率の低い資格を取ることを専門としたゼミに入った。結果としてそのゼミに入ったことに後悔はしていないけれど、他のゼミの活動を羨んだことが全く無いとは言い切れない。

大学生後半になって、就活の時期になった。
私はずっと憧れていた広告業界に進むことを諦めた。周囲の反対もあって。サービス業を選んだ今も広告への熱意が冷めたとは到底言い切れない。そりゃそうだ、就活していたのなんてたったの1年前だもの。

今の仕事を選んだことは後悔はしていない。
業務も楽しいし、店舗の先輩たちもみんな優しく接してくれる。
環境にもすごく恵まれていると思う。

でも逆に今仕事を辞めても後悔しないだろうな、と思っている自分もいる。

今日友人に、「貴方は自分の能力に気付いていて、それに気づいて広告業界を志望していたのに諦めてしまったのは勿体ないよ」と言われてはっとした。

自己肯定感の低い私が自分の得意なことに気付いて、初めて自分で心からやりたいと思ったことを私は諦めた。途端に私は死ぬのがものすごく怖くなった。死ぬ間際に後悔しか残らない人生になると思ったから。

弾き語りの終盤に目が覚めて、その時にカネコアヤノが歌っていた曲が「光の方へ」だった。私も沢山抱えていたいのかもしれない。

ライブ中に寝てしまったこと、起きた時にやり始めた曲がたまたま「光の方へ」だったこと。今が私の分岐点なんじゃないかと思う。

前回のカネコアヤノのライブの時もとても寒い夜だった。
今日もお月様がきれいで、空気も澄んでいた。
時期もあって街は煌びやかだった。

今日はカネコアヤノの音楽と、就活の時には手に取ることが出来なかった広告界の就職ガイドを抱きしめて帰路についた。







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