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半夏生に揺れた花
7月2日、日曜日。
相模湖へ
朝早くにお家を出て、高尾駅の乗換えホームで友人と待ち合わせ。
前回の投稿で、天狗の葉団扇と呼ばれるヤツデの葉っぱを拾って以降、なぜかここ数日ありがたいことに「天狗」との縁に恵まれている。
乗換えの高尾駅でさっそく、突然の大きな天狗の顔がお目見え。
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本当にびっくりしました。
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お天気にも恵まれ、
空気も美味しく、
景色も良くて、
深呼吸。
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歩きはじめてさっそく気になる食堂が。
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階段を降りていく途中で家々の間から湖が覗くこの景色があまりに素敵で、写真を撮ろうとカメラを構えたところ、スワンボートが良いタイミングで現れる。
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目的地手前の敷地内に大きなヤマモモの木が…!これはすごい!!
今年もヤマモモとの縁をとても感じています。完熟の実でもとても小さくて、でも甘くて。こんなに小さなヤマモモがあることを初めて知り、ヤマモモにも品種があるのかな?と思い。あとでじっくり調べてみます。
上では小鳥がくちばしを紅く、
下では私が指を紅く染めて。
上からヤマモモが落ちてくる中、鳥も人も一緒に、みんなで仲良くパクパク食べました。
イマーシブシアター
相模湖へ来た目的は、相模湖交流センターのアートギャラリーにて開催されるイマーシブシアター『ひみつのひみつのリビングのうた』。
とても楽しみにしていました!
演者さんの他に、家具や家電に扮したお客さま(子供も大人も)と共に物語が展開していきます。
私は花壇のお花になってストーリーをみつめて応援する役目でした🌹✨
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先日の、夏の金子しんぺい劇場へ観に行けていなかったら、このイマーシブシアターの存在を今も知らずにいました。金子しんぺい劇場の予約もギリギリ最後の一枠に滑り込んだ形で奇跡的に取れたので、いくつかのタイミングが重なってこの公演を知ることに繋がったことが嬉しく、なんだかすごくおもしろそうなので観てみたくなり、友人を思いきって誘ってみました。
とっても素敵な内容で、行って良かったなぁ、良いものを観たなぁと大満足。
観たあとは心がとても満たされ潤い、外は暑かったけれどどこか晴れやかで爽やかな気持ちでした。
イマーシブシアターとは、
2000年代にロンドンから始まり、以降ニューヨークを中心に注目を集めている体験型演劇作品の総称。
観客は固定された座席に座って鑑賞する従来の舞台鑑賞ではなく、観客自ら会場内を動き、目の前で演者がパフォーマンスを行い、観客は物語の一部として作品に参加します。綿密な空間設計や五感を刺激する演出を通じ、観客を物語世界に深く没入させることを特徴とします。観客の行動ルールは作品によって異なり、「自由に動き回りながら鑑賞するもの」と、出演者に「誘導されながら鑑賞するもの」とがある。
公演の内容は、子供も大人もそれぞれがその場で与えられた配役のリビングの家具や家電になりきって、考えたり力を合わせたり、時に決まったポーズを取ったりしながら、話し合って手を取り合い物語を解決に導いていくというもの。その一部始終を花壇からにこにこと眺めているお花の私。とっても幸せでした。
誰かがどこかでふと立ち止まったとき、視線の先にそっと咲く小さなお花に憧れがあります。誰かの歩む人生の道の途中に咲き、風に優しく揺れて励ましたり癒やすことができるようなお花(みたいな存在)になれたらいいなぁと思っていたこともあるので、お花として参加できてとても嬉しかったです。
子供の頃からこういった参加型の公演に触れられること、他者の視点に立ってみたり、他者の気持ちを考えたりする機会があることはすごく素敵なことだし、大切なことだと思います。ここで言う「他者」とは、人であったり物であったり。はたまた別のものである可能性も。
物語に必要な登場人物になりきって自ら考えて動くことで、自主性と自己表現と開放の力がめきめき育まれそうです。
そしてそれを花壇のお花たちはどこまでもあたたかく見守り、応援し、一緒になって喜ぶ。
みんなで幸せのかたちを考えて探して、ハッピーエンドに導いていく過程が本当に幸せでした。
最初は決められた場所があったり家具と家電で喧嘩していたけれど、最後は誰が家具で誰が家電かもわからないくらい、いい意味でぐちゃぐちゃになって協力し合って、輪になっていた光景が微笑ましい。
後半では配役という形を借りた、その子・その人自身がその場に存在していたようにさえ思う。途中、予定や予測ができない場面があり、いろいろ起きておもしろかったです。そこには子供も大人も無く、一体となったみんながいました。
参加するお客さまとその配役によっても、きっと雰囲気や反応や意見などの細かな場面場面が異なってくると思うので、全回観たいと思ってしまうほど楽しい公演でした。
家に帰ったらいろんな家具や家電の声に耳を澄ませたくなりました。
家具や家電それぞれを選んだ日や理由、迎えた日のことも思い出したりもしたいな、とか。
花瓶のお花や観葉植物がいつも私の日々のストーリーや表情を優しく見つめてくれていたんだな、とか。
私がお家に帰った瞬間、それまで動いたりおしゃべりしていた家具や家電たちが、人間の私にバレないように定位置に急いで戻ってピタッとポーズを取って動かなくなってたのかな?とかとか。
もしかしたら私がなにかご機嫌で帰ってきた時や歌を歌ったり踊ったりしていた時には、プランターの植物や花瓶のお花も嬉しそうにこっそり揺れていたのかもしれない。
日々、家具と家電とお花たちが私をどれだけ支えて見守ってくれているのかと思うとますますお部屋が愛おしくなり、いろいろと考えているとお家へ帰るのが楽しみになりました。
帰りにまたヤマモモを食べて(笑)、そのまま坂を下って湖の方へお散歩に行き、少し湖のそばを歩きながら遠回りで駅へ戻ることにしました。
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いい風が吹き、
笹の葉がさらさら、
吹き流しもさらさら。
「世界平和」の短冊が1枚だけ紐が切れて落ちてしまっているのをみつけた。どなたかの書いたその大きくて深くて素敵な願いと想いに、私の気持ちも重ねて乗せて、しっかりと笹にもう一度結びました。
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先程まで花壇のお花役だった私は、花壇のお花に自然と目がいってしまいます。
こちらの花壇のお花はマリーゴールド。笑顔で「わーい!」と両手をあげて喜んでいるように見えました。
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今季初の百日紅の花も見つけました。昨年の百日紅の咲く頃は、介護福祉士の国家試験へ向けてお休みの日はほとんどアカデミー通いで、グループワークがはじまったり、実技・筆記共に猛勉強をしていた頃です。百日紅の樹を見る度に“滑って落ちないように”と願い、地に足をつけた地道な努力で勉強を進めることを誓っていました。
まだ街の眠る静かな時間帯に集中してお勉強をするために、朝3:00起きの生活が始まったのもこの頃からだったなぁ、となんだかすごく懐かしくなりました。
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まだ紅くなっていない鬼灯。
花言葉は『自然美』『心の平安』
それとは別に、鬼灯には、実は外の大きさに比べて中が空洞で種が小さいことから『偽り』という花言葉もあります。
その花言葉を受け、外見や表面ばかりではなく、中身と愛のいっぱいつまった真の人間でありたいと思います。
民家から道路に1本だけ可愛らしく顔を出していた まだ青い鬼灯に、「外の世界をちょっぴり見てみたかったのかな」とか「それとも道ゆく人の平安を願ってくれているのかな」とか思ったり。
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ねこじゃらし
行きに、湖とスワンボートが家々の間から覗く写真を撮りながら降りてきた階段の所です。
行きには見えなかった景色、気づけなかったもの、見落としていたことが、帰りにはたくさん見えてきました。
相模湖駅へ戻り、珍しい「ゆり最中」をお土産に買って、私達は次の場所、新宿へ。
…と思いましたが、さすがは郊外の駅、次の電車が来るまで30分以上もあり、その間にアイスを食べました♪
歌舞伎町タワー
まさか相模湖から新宿へはしごをするなんて。朝には思ってもいませんでした。
1時間後には新宿歌舞伎町に新しく建ったビル、“歌舞伎町タワー”にいました。
それよりなにより、相模湖から新宿まで1時間しかかからないのですね!めちゃ近いっ!!
(遠征をしすぎて、数時間単位の移動距離や範囲は“近い”という感覚にバグってくるのは、大道芸ファンあるあるです。笑)
歌舞伎町に入るのは人生で2度目で、ドキドキしました。手芸用品や専門の金具やパーツを買いにオカダヤまでは何度も来たことはありますが。
その1回というのも、高校の時の学校の芸術鑑賞会でハリーポッターを観に歌舞伎町にある映画館に生徒全員で来たというもの。
怖くて普段は近づきもしません。友人が一緒で本当に良かった…涙
けん玉師の伊藤佑介さんのパフォーマンスが観たくて勇気を出して歌舞伎町に足を踏み入れました。
なんとも言えないお兄さまお姉さま方がゴミの散らかる地べたに寝そべったり座ったりして大群をなしているすぐ脇を通り、「ひ〜ん、やっぱり怖いぃ…!治安悪いぃぃ!」となりました。
昨年からずっと、一緒にお出かけをする度に友人に「次に伊藤佑介さんのパフォーマンスを観れるのはいつかな」「伊藤さんのパフォーマンスが観たい」と言い続けていました。
年始の横浜ロイヤルパークホテルでのイベントや、アンデルセン公園、みなとみらいフェスティバル、先日の亀戸梅屋敷文化まつりもすべてタイミングが合わず…。
初見より9ヶ月間なかなか観ることが叶わずにいました。
毎日更新されるYouTubeを欠かさず拝見しながら、積もる感想と募る想いを抱えて生きてきました。
動画に使われる曲は知っているものから知らないものまで。
私は生活の音や外の自然の音を聞きながら静かに過ごすのがすきなので、普段お家でも車の中でも、お勉強中も作業中も移動中も全くと言っていいほど音楽を聴きません。
“音楽のない人生なんて”と言われてしまいそうなカミングアウトですね、、汗
決して音楽が嫌いなわけではないんです…!シンセやアルトサックスやクラリネット、洞簫という楽器類も、大人になってからも続けていましたし。
魔女の宅急便で言う、キキが家を飛び立ってまもなく会う先輩魔女が「そのラジオ止めてくださる?」「私、静かに飛ぶのが好きなの」と言うシーン。子供の頃はとてもとても理解できなかったけれど、今はすごく共感できてしまう。笑
ですので、使われている楽曲は知らないものの方が圧倒的に多いのですが、それが却って新鮮で刺激になったりもしています。伊藤さんのYouTubeきっかけで知った曲がたくさんあります。
知らない曲を、なにかのきっかけで知れるというのもまた、私にとっては世界が広がり楽しくて嬉しいことです。
時に歌のない曲も使われますし、曲すら無い自然の音だけの回もあります。どれもそれぞれに感じ入るものがありますが、青空のもと、鳥の囀りや鶯の鳴き声の響く自然の中で、流れる川の水や雲や車や人を背景に、澄んだけん玉の音に耳を傾ける穏やかな回が特に好きでお気に入りです。ピアノやバイオリンだけの回も好きです。
「時には昔の話を」の使われた回では、紅の豚や戦時中の映像が頭に浮かび、赤いけん玉が日の丸、宙を飛ぶけんは飛行機にみえてきて、涙ぐんでしまったこともありました。
いろいろなことを感じながら五感を働かせて、様々な視点から動画を大切に視続けてきました。技が決まった時の笑顔も毎回素敵です。
よろしければ、ぜひご覧になってみてください♪
▼伊藤佑介さんのYouTubeはこちら
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屋台感満載のフードコート(?)でお肉抜きで作っていただいた焼きそばを食べて、2回目のショーまでの時間を待ちました。そういえば相模湖で見かけた気になるお店も、メニューで惹かれたのはお野菜たっぷりの塩焼きそばだったなぁ。この日は焼きそばを食べたい気分だったのかな。笑
ステージの真正面にはカブキCAFEが位置していて、各テーブルからショーを眺められる感じの造りになっていました。ショーのはじまる少し前にそちらに移動して、空いた席に座って観る計画を立てる。後方サイドのテーブルがちょうど空き、そちらに座り飲み物とサラダを注文。するとほどなくして、すごいタイミングで真正面の一番前の席が空いたので、ダメもとで席の移動を店員さんに申し出てみたところ、快諾いただけた。2回目は運の良いことにドセンでパフォーマンスを観れました。
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真上を見上げると鏡張りで、なかなかおもしろかったのでパシャリ。
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やっぱり笑顔の素敵な写真は外せません。
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カリフォルニアからお越しの男性を客上げ。思えば9ヶ月前には観れなかった光景です…!わくわくしました。
大皿に玉を乗せる技にチャレンジ。
「イケメンは何回失敗しても大丈夫。なぜなら何回でも観ていられるから」
という伊藤さんからの名言(?)も飛び出しました!笑
何度か惜しい失敗を重ねて、ラスト3回に迫り紐を短くしたところで気持ちよく決まり、拍手と歓声がどっと沸きました!
“けん玉タップ”も披露してくださいました。
10連けん玉では、シャッターを切るタイミングすら逃すほど、スッと静かにそれでいて鮮やかに見事一発で決まり大興奮!!!!!
どんな一瞬のことにも、しっかりと準備することの大切さを学びました。
私は物を丁寧に大切に扱うパフォーマーさんが好きなのですが、伊藤さんもそのおひとりです。
大喝采に包まれ、最高の盛り上がりをみせてショーは終わりました。
帰宅
お家に帰り、1日の思い出に浸りながら家具と家電を眺めて幸せな気持ちになりました。
ひとり暮らしだけど、いつもより少し大きな声で「ただいま〜」と言ってドアを開けてみたりして。
家具♪
家電♪
か〜ぞく♪
頭に流れるメロディーを口ずさみながら家事をこなし、お風呂に入る。
イマーシブシアター、
今後も私の中の要チェック項目に入りました。
クラウドファンディングもしているそうで、喜んで支援もさせていただきました。
こんなにもおもしろくて素敵な公演、全国の子供たちに(大人たちにも!)もっともっと広がっていってほしいなぁ、体感していただきたいなぁと心から思います。
7/8(土)にもまだあと3回公演がございます。
もしご興味ございましたら、ぜひ遊びに行ってみてください🦢
▼詳細
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ご家族での“家具家電チケット”
— 塚越光/なにみてるの (@pikaru_nanimi) July 3, 2023
大人お1人での“花壇のお花チケット”
どちらもホントおすすめしたいです‼️
応援する👇https://t.co/Aa9KkdLbDM
7/8に参加する【無料】👇https://t.co/afzI7HAzXW pic.twitter.com/8DY6ItkkIQ
▼相模湖交流センターまでのアクセス
お花になる気満々で、胸元につけていったお花のペンダントも、私の握ったお花と喜びと一緒にゆらゆら揺れていました。
心おどり心揺さぶられるパフォーマンスをみた、半夏生でした。